●　自動車同好会の日常　●

　　ＵＣ学園近くのとある自動車部品販売店。

　　そこに買い物をするゲゼ兄弟の姿があった。

　灰ｹﾞｾﾞ　「このギアと、シリンダーとクランクも・・・これで良し」

　橙ｹﾞｾﾞ　「兄貴・・・ちょっと買い過ぎだよ・・・かごに詰めた部品が重くて堪らないよ」

　灰ｹﾞｾﾞ　「つべこべ言うな弟！俺様が金を出してやってるんだから部品ぐらいはお前が持て！！」

　橙ｹﾞｾﾞ　「それでも兄貴･･･少しぐらいは･･･」

　灰ｹﾞｾﾞ　「（ギロ！！）弟よ･･･俺様になんか文句でもあるのか？」

　橙ｹﾞｾﾞ　「・・・・・・ハァ・・・わかったよ・・・（なんでオレが・・・これだから兄貴はワガママで困るよ）」

　　その後、大量の部品の会計を済ませ、店を出た後。

　橙ｹﾞｾﾞ　「ところで兄貴・・・良くこんなに大量の部品買う金があったね・・・

　　　　　　　この前のあれで全部無くなったかと思ったけど」

　灰ｹﾞｾﾞ　「この前のあれ？・・・俺様はなにも憶えていないが？」

　橙ｹﾞｾﾞ　「ほら･･・数日前の、柔道部とのキャトルさんをかけてのレースの時だよ・・・」

　　あの時、柔道部と自動車同好会のレース（柔道部ヅダ（生身）ＶＳ自動車同好会自作車）は、

　　その場の誰もが予想した通り、自動車同好会の自作の車の圧勝だった。

　　だが、レースに勝った後、車を止めようと灰ゲゼが思いっきりブレーキをかけた瞬間、

　　ブレーキが壊れたのだ。しかも、それで慌てた灰ゲゼがアクセルを踏みまくった為、

　　当然の事ながら車は暴走し、校庭中を無茶苦茶に走り回った後、フェンスに衝突し爆発大破した。

　　結果、フェンスに大穴が空くは車も大破するは、おまけに爆発による煙が校庭中に立ちこめる騒ぎに。

　　（それでも当事者の灰ゲゼはかすり傷一つさえしなかった）

　　無論、ゲゼ兄弟（何故か橙ゲゼも同罪扱い）はラフレシア教頭に呼び出されこってり絞られた挙句、

　　主犯格の灰ゲゼは大穴のあいたフェンスの修理費を支払う羽目になったのだ。

　橙ｹﾞｾﾞ　「･･･と言う事だよ、兄貴･･･本当に憶えてないの？」

　灰ｹﾞｾﾞ　「弟よ･･・俺様は自分の失敗などは憶えない主義だ（断言）」

　橙ｹﾞｾﾞ　「･･･・･･（それって反省しないって事じゃないか･･･ハァ）･･･」

　橙ｹﾞｾﾞ　「で・・・兄貴、その金は何処から？」

　灰ｹﾞｾﾞ　「ん？・・・それは俺様達の部室にあった貯金箱から頂いたのだ、結構大金が入ってたぞ」

　橙ｹﾞｾﾞ　「貯金箱？部室にそんなのあったの？」

　灰ｹﾞｾﾞ　「ウム・・・豚の形をした貯金箱だ。

　　　　　　　しかし奇特な奴もいる物だ、俺様の為に大金を置いてくれるとはな、ガハハハ！」

　橙ｹﾞｾﾞ　「・・・（豚の貯金箱って・・・そう言えば・・・たしか）・・・ウゲ！！」

　灰ｹﾞｾﾞ　「どうした弟よ、変な声を上げて･･･犬のフンでも踏んだか？」

　橙ｹﾞｾﾞ　「それって、キャトルさんが

　　　　　　　『秋口に部員全員で温泉に行くための貯金ですわ』って言ってた奴じゃあ」

　灰ｹﾞｾﾞ　「･･･キャトルさんの･･･マジ？」

　橙ｹﾞｾﾞ　「多分ってか確実にそうか！？（何かに気付く）兄貴･・････後ろ」

　灰ｹﾞｾﾞ　「後ろ？･･･（ぎぎぃ、と振り向く）」

　ｷｬﾄﾙ　「あらあら、お二人ともお買い物の帰りですか？」

　灰ｹﾞｾﾞ&橙ｹﾞｾﾞ　「「うわああああああああ！！出たあああああ！！」」

　ｷｬﾄﾙ　「出たって・･･何が？・･･それよりいっぱい買い込みましたわね（ニッコリ）」

　橙ｹﾞｾﾞ　「あ･･･いや･･･宝くじに当たったんだよ、うん」

　灰ｹﾞｾﾞ　「そ、そうだ！！・･･俺様は決して豚の貯金箱は使い込んで無いぞ、うんうん」

　　身振り手振り誤魔化す灰ゲゼから、コロンと何かがキャトルの足元に落ちる。

　ｷｬﾄﾙ　「（それを拾って）・・・これって豚さんの破片・・・まさか、あなた達！？」

　灰ｹﾞｾﾞ　「ちっ！！ばれたか！！弟よ、後は任せた（逃）」

　橙ｹﾞｾﾞ　「ちょｗｗｗｗ兄貴！！待ってって・・・あれ？前に進めない？・・・そうか、オレが宙に浮いて・・・」

　　少し離れた場所。

　灰ｹﾞｾﾞ　「ここまで逃げりゃ、ハァハァ・・・弟よ、兄のために犠牲になるとはなんて・・・」

　???　「・・・・・・まちなさーい！？」

　灰ｹﾞｾﾞ　「！？げぇぇ！！弟を荷物ごと頭上に持ち上げたキャトルさんが追ってきたぁぁ！！（汗）」

　ｷｬﾄﾙ　「待ちなさ―い！！貴方は勝手に貯金を使い込んだのですね！！」

　灰ｹﾞｾﾞ　「うわわわわわわ！！に、逃げろぉ―――！！」

　ｷｬﾄﾙ　「逃がさないですわ！！それっ！！」

　　走り出す灰ゲゼにキャトルは持ち上げていた橙ゲゼ（荷物も一緒）を思いっきり投げ付けた。

　橙ｹﾞｾﾞ　「（投げられながら）やっぱり・・・こうなるのね（涙）」

　二人　「「ギャァァァァアアッス！！」」ﾄﾞｶﾞｼｬｱｱｱｱﾝ！！

　　結局、掴まった二人はキャトルにこってりと絞られ、

　　温泉旅行の時には灰ゲゼは留守番にされたと言う。

　　ちなみに、この様子は、たまたまこの場に居たザク強行偵察型にしっかりと写真に取られ、

　　翌日の学級新聞の一面に『驚愕！！自動車同好会の内乱』と言う見出しで紙面を飾ったのであった。

2005/11/16　22:18:37　　>>332氏
2005/11/16　23:24:58　　>>334氏