ガタンガトンガタンゴトン
電車がＵＣ学園近くの駅から発車してから既に１時間近く経ったが、
目的地の温泉近くの駅までまだ２時間ぐらい掛かるらしく、
それまでの間、温泉に行く人（殆どがＵＣ学園の生徒達）は、
本を読んだり、ババ抜きなどのゲームに興じたり、
それぞれが思い思いの時間つぶしをしていた。
俺（橙ゲゼ）はというと、お茶を飲みつつキャトルさんとの無駄話に花を咲かせいた。
橙ｹﾞｾﾞ 「・・・と言う事で、見事に兄貴は車の爆発に巻き込まれちまったんだよ。馬鹿だよ、兄貴は」
ｷｬﾄﾙ 「まぁ、それは大変でしたわね。その時は灰ゲゼさんにお怪我は無かったのですか？」
橙ｹﾞｾﾞ 「言うまでも無いけど兄貴はピンピンして・・・ん？後ろが騒がしいな」
俺が見ると、後ろの席の剣道部の仲良し２人組（バーザム・ザクⅡＦ）が窓の外を見て騒いでいた。
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「おい！見ろよあれ！！側の道路を走っている車だよ」
ｻﾞｸⅡF 「なんだあ？あの車、すげー変な車だな。今時の珍走でもあんなのなんて使って無いぞ」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「・・・でも何処かで見た事がある車なんだよな・・・」
ｻﾞｸⅡF 「あ、奇遇だな、俺もどっかで見たはずなんだよ。しかも学校の近くか学校の中かで・・・」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ&ｻﾞｸⅡF 「う～ん・・・・・・何処で見たんだっけ？」
・・・何処かで見た事がある車？しかも学校で？・・・気になった俺は窓の外の道路に目を移し、
橙ｹﾞｾﾞ 「ぶぶぶうううっ―――――――！！」
俺は口の中に含んでいたお茶を盛大に吹き出していた。
それは間違い無く、俺の兄貴の作った自作車『夏問２７号』だったのだ。
なんだってここに？まさか！？兄貴が追っかけて来た！！？？なんてこった・・・ orz
ｷｬﾄﾙ 「どうかしました？何かお茶の中に入っていたのですか？（ハンカチで橙ゲゼを拭きつつ）」
橙ｹﾞｾﾞ 「(#ﾟДﾟ)∑ﾋﾞｸｯ！い、いや、お、お茶でむせただけです！何でもないです、何でも・・・」
俺は必死に誤魔化しながら、後ろ手で列車の窓のカーテンを閉め、兄貴の車を見なかった事にした。
・・・出来れば何時もの通り、いきなり車が爆発して兄貴がリタイアしてくれれば良いのだが・・・。
俺はカーテンを閉め、外を走っている筈の兄貴の車を見ないようにしている。
というよりか居なかった事にしたい。
キャトルさんは最初は俺の行動に疑問を感じていたようだが、
それも飽きたらしく、しばらくするとぐっすり眠ってしまった。（その方が俺にとっても助かる）
後は俺もそのまま見なかった事にしてやり過ごすか・・・。
だが・・・・・・、
ｻﾞｸⅡF 「おいおい見ろよ！あの車の後ろ。すげー数のパトカーが追って来てるぜ」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「ホントだ！何したんだろーな、あの車」
ｻﾞｸⅡF 「違法改造って奴だろ？ナンバーも付けて無いみたいだし、それでじゃないのか？」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「そりゃそうだろうな。あんな車が車検を通るかっての（笑）」
ｻﾞｸⅡF 「ハッハッハ、言えてるな（笑）」
・・・お前ら、頼むから実況しないでくれ。俺にとって滅茶苦茶恥かしい・・・ orz
ｻﾞｸⅡF 「お！あの車の前、パトカーが道をふさいでるぜ」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「あ～あ、終わりだな、あの車も」
ｻﾞｸⅡF 「横道って言う逃げ場が無いからな～。どうするんだろ？あの車の運転手」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「捕まるんじゃね～の？タイーホするってか？」
兄貴が警察のお世話になるのか・・・。
でも、兄貴には悪いが警察に聞かれても俺は知らん振りしておこう。
結局は兄貴の自業自得って奴だし、兄貴もこれで懲りて・・・・・・、
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「うをっ！！スゲ――！！」
ん？なんだ？兄貴の車が爆発でもしたのか？
ｻﾞｸⅡF 「うわ、あの車が跳んだぞ！！」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「まるでアニメの車みたいにパトカーを飛び越えたぞ。パトカーの警官が唖然としてたぜ」
ｻﾞｸⅡF 「凄い物見たな～。ビックリしたよ」
へ？・・・・・・マ ジ で す か ？
だが、直ぐに俺が窓の外を確認しようとした時には、既に列車がトンネルの中に入った後で、
列車がトンネルから出た時には、側の道路には兄貴の車もパトカーも影も形も無かったのであった。
兄貴がどうなったかとかは、俺達が温泉に到着するまで分からなくなったと言う事である。
うう・・・・・・不安で胃が痛くなってきた・・・ orz
2005/12/01 01:43:24 >>442氏
（318の人◆.SD5e0P11k氏）
2005/12/01 02:27:02 >>443氏
（318の人◆.SD5e0P11k氏）
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