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● ゆけゆけUC学園温泉大作戦 迫撃!トリプル・バカ編 ●


 キャトル 「はーい、みなさま、こちらが本日の旅館ですわ」


  駅から送迎バスに乗った俺達は、到着した旅館の豪奢な造りに目を見張った。

  こういう造りをなんというのか、俺には詳しいことはわからないが、

  とにかく広大な敷地、整備された庭、和風の木造建築の柱の太さなど、

  素人にもたいへんなものであることは一目瞭然だ。

  裏手は山に続いており、竹林が風に揺れ・・・あれ?なんだ?揺れすぎじゃないか?


  ザザザザザザザザザザザザ


 橙ゲゼ 「ちょ、キャトルさん、なんか来ますよ!?」

  俺が注意を促そうとキャトルさんに話し掛けたその時・・・、


  ピキーン!!!と何やら得体のしれない緊張が一部の人間に走った。


 ズゴック 「何!?このプレッシャー!?」

 ギャンヌ 「あ、頭が押さえつけられるように重い・・・」


  俺も確かに感じたんだ・・・この重苦しいいやな感じ・・・。

  ああ・・・恐ろしいものが来る・・・。


 ヅダ&旧ザク 「そこな一行待てーい!!!!!!!!」


  俺の目に映ったのは全身泥だらけで、

  一人は熊、一人はイノシシを担いだ異形の者だった。

  いや、別に人間ではあるんだが、そのシチュはないだろ。


  当然の如くその場は大騒ぎになった。

  逃げ惑う新体操部やチア部の面々。

  剣道部や時代劇愛好部は武器を構えて陣形を整えてるし、

  新聞部はカメラ!カメラ!とか叫んでる。

  カメラどころじゃないだろ、おまえら。

  そんなことを考えながらも、俺もキャトルさんの前に出てガードをする。

  ・・・いや、冷静に考えればキャトルさんのほうが強いんだけどさ。

  まあ本能的というか反射的というか、ついそういう反応してしまってたんだ。


 旧ザク 「おおぉぉおううう!!!!!ズゴック君ー!早まってはいかん!!」


  あ!イノシシの方の野郎!武器を持ってない女を狙いやがったか!?

  そう俺が思ったとき・・・、


 ズゴック 「キャー!イヤ・・・ってこの感じ・・・旧ザクさん?」

 旧ザク 「うおおぉぉぉうぅぅうううぉおおおぅ(号泣)」


 ギャンヌ 「にい・・・さん・・・?」

 ヅダ 「!?ギャンヌ!?なぜお前がここにいる!?」

 ギャンヌ 「に、兄さんが来るのが早すぎたのよー!(膝から崩れ落ちながら)」


  へ?兄さん?旧ザクさん?

  てことは柔道部のヅダさんと空手部の旧ザクさん?

  なんでギャンヌさん泣き崩れてんだ?

  もう俺には何がなんだか。

  いったい今ここで何が起こっているのだろう・・・。



  遅れて竹林から出てくる男が一人。


 灰ゲゼ 「ひいひい・・・おーい、まってくれー!俺様を置いていくなー!ひいふう」


  ああ、あなたでしたか、俺の感じたプレッシャーの源泉は。

  なるほどなるほど。よくわかりました。

  ・・・・・・・・・・・・・・・って、

  終わりだー!!!!!やっぱり追って来やがった!!!

  兄貴が追ってこないわけはないと心の底ではわかっていた・・・。

  だがもしかしたら、もしかしたらと・・・!!!そのささやかな希望も露と消えたな・・・。

  ああ・・・キャトルさんと7並べとかして穏やかに楽しく過ごしたかった・・・。


 ゴッグ 「こらー!!!部長から離れろ!!!」

  向こうは向こうでズゴックさんにへばりついてる旧ザクさんが

  水泳部の連中からボコスカ殴られているようだ。

 ズゴック 「ちょっと待って、みんな!この人旧ザクさんよ!」

 アッグガイ 「へ?あの変態オヤジ?」

 旧ザク 「よーく考えるんだ、ズゴック君!

      一時の感情に流されてはいかーん!!(他の部員は目に入ってない)」


 ギャンヌ 「なぜ、なぜ今現れたの?兄さんには泊まるべき部屋も食べるべき食事もないというのに!」

 ヅダ 「だ、だから、どうだって言うんだ?泊まるべき宿がなくて山に入ってはいけないのか?」

 ギャンヌ 「それは不自然なのよ!」

 ヅダ 「では、ギャンヌはなんだ?」

 ギャンヌ 「私はおごってくれた人のゆえに、ここにいるわ」

 ヅダ 「たったそれだけの為に?」

 ギャンヌ 「息抜きは人の生きる為の真理よ」


  こっちの兄妹は・・・よくわからないが、余人には窺い知れない絆がありそうだな・・・。

  深入りしないでおこう。


 灰ゲゼ 「がはははははは!追いついたぞ!(ゼェゼェ)

      俺様からは逃げられないってことがわかっただろう!」

 キャトル 「(無視)あら、あなた、ヅダ・・・さん・・・?いったいどうなさったの?熊なんか背負って」

 ヅダ 「は、はあ。実はかくかくしかじかと言うわけで、

     灰ゲゼ君の言う通りなら一大事と追ってきたのです」

 キャトル 「まあ!そうでしたの。うちの部の者がご迷惑をおかけしました」


  キャトルさんがぺこりと頭を下げる。


 ヅダ 「いや、頭を上げてください。よろしければ事情をお聞かせ願えれば。

     おい、旧ザクさん!泣いてないでちょっとこっち来い」

 旧ザク 「うおおおうおうおう!ズゴックくんー!!!」

 灰ゲゼ 「がははははは!電車如きで俺を振り切れるわけはなかろうに!」

 キャトル 「ええ・・・その・・・皆で温泉旅行に行こうという・・・それだけだったんですけど」

 旧ザク 「へ?」

 ヅダ (そんなことだろうと思った・・・)

 キャトル 「それで色んな部の皆さんに声をかけて・・・

      でも灰ゲゼさんはカクカクシカジカなわけで置いて来たのですけど・・・」

 旧ザク&ヅダ 「ほほう・・・(ギロリ)」


  旧ザクさんとヅダさんの目が怖いよ・・・ママン・・・。


 灰ゲゼ 「よぉーし。俺に置いてけぼりを食わせ、集団で駆け落ちとは・・・覚悟は出来てるだろうな?」

 ヅダ 「おまえの方の覚悟はどうかな?」

 旧ザク 「ちょっと裏で話をしようか」


  そして兄貴は屈強な二人に両腕をガッチリおさえられ、再び山中に引っ張っていかれてしまった。



 ザクU改 「(ど、どうする!?部長来ちゃったぞ!)」

 アレックス 「(見つかる前に逃げましょう!電車賃くらいあるでしょ?ね、早く!)」


 旧ザク 「それから、ザクU改!アレックス!お前らはそこで待っておれ!

      こっちの話が済んでから話がある!」


 ザクU改&アレックス (しっかり見つかってた・・・)


 ヅダ 「ギャンヌ、β、お前たちもだ」


 灰ゲゼ 「お、おい、お前ら、なんか顔が怖いぞ?どうしたの?ねえ?」


  ずるずるずるずる


  10分後、彼らは戻ってきた。兄貴を除いて。

  いったいなにが竹林であったのかは知らないし知りたくもない。

  ただ、あの頑丈な兄貴が、その後2時間ほど帰ってこなかったこと。

  しかも帰って来た時ボロボロだったことだけを事実として言っておけば十分だろう。


 旧ザク 「いやー、ズゴック君、すまなかった。

      俺もズゴック君に限ってそんなことはないと言ったんだがなw」

 アッグガイ 「あたりめーだろ、バカ」

 アッガイ 「泣いてたくせに(ボソ)」

 旧ザク 「お詫びのしるしと言ってはなんだが、これを・・・」


  旧ザクさんは山で出会ったらしい猪をそっとズゴックさんに差し出した。

  こりゃ、ズゴックさん困るだろうな。うん、困った顔をしている。


 キャトル 「あの、うちの部の者がご迷惑かけたお詫びにお部屋の方用意させてもらおうと思うんですが」

 ヅダ 「いやあ。妹弟が世話になってるのに僕まで世話になったら悪い」

 キャトル 「いえ、悪いだなんて」

 ヅダ 「むしろこちらがお礼しなければならないくらいで。せめてこの熊を食事の足しにでもしてください」

 キャトル 「でも、今からではバスも電車もありませんわよ?」

 ヅダ 「ふむ、じゃあもう一回山を越えるかな。幸い今日は確か満月で明るい」

 キャトル 「あ!じゃあこういうことにしません?

      熊と猪を提供してもらうかわりにお部屋を提供させていただくというのは?」

 ズゴック 「ああ!いい考え!そうしましょう!ね?旧ザクさん?」


  相当困ってたな、ズゴックさん。


 ヅダ 「う、うむ・・・そういうことなら、お世話になろうか・・・?」

 旧ザク 「そうだな。うちの部員も気になるし、お言葉に甘えようか」

 キャトル 「うん、じゃあそれで決まりですね」


  キャトルさんが手をぱちんと叩いて微笑みながらそう言った。

  ちょっと首をかしげた様子が、たまらなくかわいい・・・。


 旧ザク&ヅダ 「ではお世話になります」

 キャトル 「いいええ。後でお話聞かせてくださいね」


  ふう、何はともあれ一段落かな。

  皆、それぞれに旅館に入って行く。

  (この二人、ちゃんと兄貴の息の根を止めてくれたかな)

  このときの俺は、そんなことを思いながら旅館の扉をくぐったんだ。

  この後、あんなにも長い夜が待ち受けてるとも知らず・・・。


  やや投げっぱなし気味にまだまだ続くぞ、温泉編!



2005/12/17 10:33:25  >>523氏
2005/12/17 11:23:31  >>525氏
2005/12/17 12:00:20  >>526氏

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