MS擬人化で萌えよう まとめサイト(仮)


● 参上!吶喊娘 ●


 ゼーゴック 「うわー!遅刻遅刻!」


  トーストをくわえながら走るわたしの名前はゼーゴック。

  UC学園分校のヨーツンヘイム校から今日転校してきたんだ。

  それなのに初日から遅刻なんてシャレにならないよ。

  そんなわけで急いでるんだ。

  ええと、あの十字路は右に行くんだっけな?

  そしてわたしが十字路に差し掛かったとき・・・、


 ゼーゴック 「わ!」

 ??? 「どりゃぁ!!!」


  大きな人影がぬっと現れて、ぶつかる!と思った瞬間、わたしの体は宙を舞い、

  ドンガラガッシャーン!と派手な音を立てて路上に止めてあった自転車の列に突っ込んだ。


 ??? 「兄さん!何やってんのー!!!」

 ??? 「うお!しまった!つい反射的に!大丈夫か、君!?」


  うう・・・何がどうなったの?

  は!?それよりわたしのトーストは!?

  トーストは無残にも道に落ち、昨晩降って朝の陽に溶けかけた雪を吸い始めていた。


 ゼーゴック 「あー!わたしのトーストがー!」


  ううう・・・忙しい朝の唯一の楽しみだったのにぃ・・・。


 ??? 「うわ!すまん!君、代わりにこれを」


  大きな人がそっと差し出したのはカレーパン(特大)だった。


 ゼーゴック 「え・・・?そんな・・・」


 ??? 「気にしないでくれ。せめてものお詫びだよ」


 ゼーゴック (優しい方・・・)


  その時、ピキーンと脳内に響く感覚と共に、何か予感めいたものを感じたんだ。

  そんな場面マンガとかでもあるじゃない?(注:こんな場面はない


 ??? 「兄さん、ほら、急がないと。あなた?もし大丈夫なら私達、遅刻しそうで急いでるから行っていい?」


  あ!そうだった!急がなきゃ。この人たちも同じ学校の人かな?同じ制服着てる。


 ゼーゴック 「あ!大丈夫です!わたしも急いでるんです。パン、ありがとうございました!」

 ??? 「うん、どうやらちっこくてコロコロしてるのが幸いしたか、怪我はないようだね」


  ああん。このはっきりとした物言い。男らしい・・・でも今は急がなきゃ。

  わたしは2人に一礼すると学校への道を走り出した。なんか新しい学校、楽しみになってきたな。


 ??? 「あ!そっちは逆よ!・・・って、行っちゃった」

 ??? 「あの娘・・・速いな。お前、知ってるか?」

 ??? 「見たことないなぁ。でも、欲しいね」

 ??? 「欲しいな。まあ後で考えよう。今は遅刻の方が問題だ」


  そしてヅダとギャンヌも何か不思議な予感と、

  湧き上がる部員獲得の欲望を感じながら学園への道を走り出したのだった。



  結局わたしは遅刻してしまった。

  あの十字路で道間違えてしまったみたい。

  変な思い違いとか、思い込みとか多いんだよなぁ。


 ホワイトベース 「そういうことじゃしょうがないわね。これからは気をつけてね」

 ゼーゴック 「はい!気をつけます!すいませんでした!


  担任の先生は笑って許してくれた。

  わたしは1‐Aに編入されるみたい。


 ホワイトベース 「ん、いいのよ。じゃあ二限目の前にみんなに紹介するから」


  先生について行く途中の廊下でたくさんのトロフィーや賞状が飾ってあるのを見た。

  スポーツが盛んって聞いてたけど、ほんとにすごいんだ。

  そして教室。


 ホワイトベース 「はーい、みんなちょっと聞いて。今日からこの学校に編入してきた仲間を紹介します」

 ゼーゴック 「ゼーゴックって言います。ヨーツンヘイム校から来ました」


  ざわざわ


 アッグ 「アッグガイちゃん。あの人じゃない?部長が従妹が転入してくるって言ってた・・・」

 アッグガイ 「ああ、言ってたな」

 アッグ 「かわいいね」

 アッグガイ 「かわいいけど、ちっけーなぁ。お前と同じくらいじゃね?」

 アッグ 「(あせあせ)悪いよぉ、そんなこと言ったら」

 アッグガイ 「いいじゃん、別に。しかしお前のちみっこアイドルの座も危ないんじゃね?」

 アッグ 「もぉ・・・」


 ゼーゴック 「趣味はスカイダイビング、前は水泳もしてました。皆さんよろしくお願いします!」

 ギャンヌ 「あら、あの娘・・・」

 ゼーゴック 「あ!今朝の!」

 ギャンヌ 「今朝は兄がごめんなさいね。大丈夫だった?」

 ゼーゴック 「はい!わたし、頑丈なのが取り柄だから(お兄さんなんだ。彼氏じゃなくてよかった)」

 ホワイトベース 「あら、二人は知り合い?」

 ギャンヌ 「いえ、知り合いってほどじゃないんですけど、今朝ちょっと」

 ホワイトベース 「そう。じゃあゼーゴックさんはギャンヌさんの隣にしようかしら」

 ギャンヌ 「あ、はい。ゼーゴックさん、よろしくね」

 ゼーゴック 「こっちこそよろしく!(義姉さん、なんて♪)」

 ギャンヌ (今なんかいやなプレッシャー感じたけど気のせいかしら・・・)

 ゼーゴック 「後でお兄さんのこと色々教えてね」

 ギャンヌ 「は、はぁ・・・」



  そして昼休み。


 ギャンヌ 「兄さん!兄さん!」

 ヅダ 「お、どうした?」

 ギャンヌ 「朝の娘、転校生だったよ」

 ヅダ 「お、そうか!」

 ギャンヌ 「それで、私の隣の席になったのよ」

 ヅダ 「何!?チャンスじゃないか!勧誘したか!?」

 ギャンヌ 「いえ、まだ。兄さんと一緒にと思って(その方が良さそうな雰囲気なのよね)」

 ヅダ 「よし!そうか。行くぞ!」


  その頃屋上では・・・、


 ズゴック 「それでまた道に迷ってたの?」

 ゼーゴック 「はぃ〜・・・」

 ズゴック 「あなた、昔から思い込み強いんだから、気をつけないとだめよ?」

 ゼーゴック 「面目ありません〜・・・」

 ゴッグ 「ははは、しかし怪我がなくてよかったじゃないか。元気でよろしい」

 ゼーゴック 「はい!元気はあります!」

 ズゴック 「調子に乗らないの」

 ゴッグ 「ところで部活は決めたの?」

 ゼーゴック 「んー、スカイダイビング部はないし、どうしようかなぁ」

 ゴッグ 「じゃあ水泳部にしなよ。前にやってたんでしょ?歓迎するよ」

 ゼーゴック 「でも、わたし競泳じゃなくて潜水競技だったんですよね」

 ズゴック 「気にしない気にしない。物は試しよ」

 ゴッグ 「そうそう、何事も体験だよ」

 ゼーゴック 「そうですか?じゃあそうしようかなぁ」


  その時クラスから消えたゼーゴックを探すヅダの声がグラウンドから聞こえてきた。


 ヅダ 「ゼーゴック君ー!どこだー!!!」

 ギャンヌ 「ちょ…兄さん、あんまり大きい声ださないで・・・恥ずかしいよ・・・」

 ヅダ 「そんなこと言ってる場合か!ゼーゴック君ー!!!」


 ゴッグ 「ち、ヅダ君か。どこでゼーゴックの事を嗅ぎつけたんだ・・・」

 ゼーゴック 「あ!ヅダさんの声だ!」

 ズゴック 「知ってるの?」

 ゼーゴック 「今朝会ったんです!おーい!ヅダさーん!!!」


  ゼーゴックが屋上から手を振る。


 ヅダ 「ああ!よかった!ちょっと話があるんだ!」

 ゼーゴック 「はーい!今いきまーす!!」


 ゴッグ 「やばい!部員に飢えた奴らにゼーゴックは会わせられん!阻止するぞ、部長!」

 ズゴック 「そ、そうね。ねえ、ゼーゴック、ちょっと話を・・・」

 ゼーゴック 「ええと、こんなもんかな♪」


  焦る二人をよそにゼーゴックは金網から数十歩距離を取る。

  そして次の瞬間、二人は絶句した。

  ゼーゴックは一直線に金網に向かって走りだすと、

  そのまま金網を飛び越えて二人の視界から消えていったのだ。


  ビュオオオオオオオ 空気を切り裂き落下する体の感覚が気持ちいい・・・。


 ゼーゴック 「ヅーダーさーん!わーたーしーをー受ーけー止ーめーてー!」



  惨事を頭に浮かべながら下を見た水泳部二人が見たのは、更に恐ろしい光景だった。

  ドカァ!と屋上まで届く衝撃音、そして・・・、


 ヅダ 「やあ、今朝はごめんね。しかし元気なのはいいが、あまり無茶しちゃだめだよ?」

 ゼーゴック 「ううん、ヅダさんなら受け止めてくれると信じて飛んだの・・・」


 ゴッグ 「う、受け止めた!?」

 ズゴック 「・・・ここ、3階建ての建物の屋上よね?」

 ゴッグ 「うん・・・」

 ズゴック 「柔道家ってすごいのね・・・」

 ゴッグ 「そ、そういう括りで語っていい問題なのかなぁ;」

 ズゴック 「・・・思い出したわ。彼女のことよ」

 ゴッグ 「何?」

 ズゴック 「彼女は小学校時代から惚れっぽい性格だった」

 ゴッグ 「そ、そうなの」

 ズゴック 「惚れた相手には文字通り体当たり。病院送りになった男子は両手では数え切れないわ」

 ゴッグ 「そんなに・・・」

 ズゴック 「ついたあだ名が『機動飛込娘(モビルダイバー)』」

 ゴッグ 「またエライあだ名つけられたな」

 ズゴック 「特にバレンタインデーの気合の入り方は尋常じゃなく、

       その日が来るたびに流血の惨事が繰り返されたのよ」

 ゴッグ 「文字通り血が流れたんだろうな・・・」

 ズゴック 「いつしか彼女の学校ではその日は『血のバレンタイン』と呼ばれるようになり、

       全校の男子を恐怖のどん底に突き落とすことになったわ」

 ゴッグ 「そんな血塗られた過去が!」

 ズゴック 「スカイダイビングはじめてから影をひそめてたけど、彼女の体当たり癖、治ってなかったのね」

 ゴッグ 「うーむ」

 ズゴック 「やはり彼女は危険過ぎるのかも・・・」

 ゴッグ 「その火のような気性、強靭な体。やはり欲しいな」


  ひゅー・・・と春とは名ばかりの冷たい風が両者の間に吹いた。

  そして生まれる一瞬の沈黙。


 ズゴック 「あなたもなかなかよね」

 ゴッグ 「そお?」


  UC学園の片隅にも春の嵐が巻き起こるのか?

  ゼーゴックの明日はどっちだ!



2006/02/12 12:51:17  >>722氏
2006/02/12 13:47:09  >>723氏
2006/02/12 13:49:10  >>724氏
2006/02/12 13:51:37  >>725氏

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送