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● 血のバレンタイン ●


  あーあ。昼休みは残念。

  ヅダさんが私を探しに来てくれたのに

  ズゴックちゃんとゴッグさん、物凄く怖い顔してわたしを連れ戻しに来るんだもん。

  おまけになんかわからないまま水泳部に入部させられちゃった・・・。

  何であんなに急いでたんだろ?

  まあ、いいや。今日は水着持ってないから明日からだね。

  放課後どうしようかなぁ。

  あ、そうだ!チョコ作らなきゃじゃない!

  はぁぁ・・・それにしてもヅダさん・・・。

  ヅダさんならきっと、と直感したわたしの勘は間違ってなかった。

  生まれて初めてわたしのダイブを受け止めてくれた方・・・。

  (注:彼女は今までに数十人の男子生徒を体当たりで病院送りにしています)

  妹のギャンヌちゃんもきれいで優しそうだし、今回こそ、この恋しっかり実らせなきゃ!



  某百貨店にて。


 ギャンヌ 「ええと、お父さんにはこれ・・・βにはこんなんでいいかな。兄さんには・・・」

 ゼーゴック 「原料用のチョコ下さいな♪」

 ギャンヌ 「あ!あの声は!」

 ゼーゴック 「あ!義姉さん!」

 ギャンヌ 「誰が義姉さんよ!」

 ゼーゴック 「え!?もしかして義妹?」

 ギャンヌ 「いや、そう言う問題じゃなくて・・・」

 ゼーゴック 「誕生日何日です??」

 ギャンヌ 「4月1日だけど・・・」

 ゼーゴック 「えー!やっぱり義姉さんじゃないですかぁ。わたし3月31日ですよぉ?」

 ギャンヌ 「だからね、なんで私とあなたが姉妹になってるか聞きたいんだけど・・・」

 ゼーゴック 「ヅダさんの妹さんなら、わたしの義姉さんですもん〜」

 ギャンヌ (この娘・・・ちょっと頭ゆるいのかな・・・)

 ゼーゴック 「もぉ〜そんなこと言わせてぇ。はずかしいわぁ(テレテレ)」

 ギャンヌ 「念のため確認したいんだけど・・・まさかあなた、兄さんが好きとかじゃないよね?」

 ゼーゴック 「え!?もちろん好きですよ!?わたしとヅダさんはきっと運命の赤い糸で結ばれてるんです!」

 ギャンヌ 「だ、だって、今朝方初めて会ったばっかりでしょ?」

 ゼーゴック 「運命の前には時間なんて関係ないですもん」

 ギャンヌ 「ていうか、なんで?どこに運命なんて感じたの?」

 ゼーゴック 「えへ・・・朝から予感はあったんですけど・・・」

 ギャンヌ (・・・投げ飛ばされてカレーパンもらったアレが運命なのかしら)

 ゼーゴック 「昼休みにね、屋上から飛んだとき受け止めてくれたでしょ?ヅダさん」

 ギャンヌ 「ああ、そうね。兄さんはともかく、あなた、平気なの?」

 ゼーゴック 「はい!大丈夫です!わたし、運命を感じた人には、私の全てを受け止めてもらいたいんです」

 ギャンヌ 「ま・・・まさか、他の人にもあんな事してたんじゃないよね・・・?」

 ゼーゴック 「あそこまで思いっきり飛んだのは初めて・・・なのにヅダさんは受け止めてくれた・・・」

 ギャンヌ (そりゃ兄さんくらいしか無理でしょうよ・・・)

 ゼーゴック 「今までの人たちは、みんなわたしを置いて入院してしまった!

        ヅダさんは生まれて初めて私を受け止めてくれた男性なんです!

        これを運命の男性と言わずになんと言おうか!!」

 ギャンヌ 「・・・それはそれは;」

 ゼーゴック 「そういうわけなんで、よろしく♪義姉さん♪」

 ギャンヌ 「ちょっと待てー!あなたのブっ飛んだ思考はわかったけど、兄さんの都合はどうなるの?」

 ゼーゴック 「え!?まさか、もう彼女がいるとか!?」

 ギャンヌ 「え・・・いや、いないけど・・・(人生で一人も・・・)」

 ゼーゴック 「なあんだぁ。びっくりさせないで下さいよぉ」

 ギャンヌ 「とにかくね?兄さんの気持ちもあるんだから・・・」

 ゼーゴック 「だいじょうぶですよぉ。

        運命で結ばれると定められてるんですから、きっとヅダさんだってわたしを愛してくれますよ」

 ギャンヌ 「(何かないかな・・・あ!そうだ!)あのね、兄さんああ見えて柔道の有力選手なのよ。

       今は恋にかまけてる場合じゃないの」

 ゼーゴック 「ええ!?そうなんですか!?」

 ギャンヌ 「(お、これは納得してくれるかな?)そういう訳だから、諦めて・・・」

 ゼーゴック 「かっこいい!!」

 ギャンヌ 「え?」

 ゼーゴック 「はぁぁぁぁぁ・・・なんてすてきな人・・・そんな人を用意してくれるなんて、神様ありがとう!」

 ギャンヌ 「いやいやそうじゃなくって・・・」

  ゼーゴック 「義姉さん!きっとわたし、愛の力でヅダさんの競技生活を支えてみせます!」

 ギャンヌ 「あの、そういう方向で考えないでもらいたいんだけど・・・」

 ゼーゴック 「こうしちゃいられないわ!愛のパワー溢れるチョコを作らなきゃ!

        義姉さん!色々心配してくれてありがとう!!」

 ギャンヌ 「心配してるんじゃないってばー!ってちょっと待てー!」


  ドドドドドドドと怒涛の加速で走り去るゼーゴックにギャンヌの言葉は届かなかった。


 ギャンヌ 「もぉ、何なのよあの娘!」

 店員 「あの、お連れの方のお勘定お願いできますか?」

 ギャンヌ 「 は い ? 」

 店員 「先ほどのツインテールの方、お勘定を済ませていらっしゃらなかったもので」

 ギャンヌ 「・・・く、何で私が・・・覚えてなさいよ」


  腹立ちを抑えきれずブチブチと文句をいいながらギャンヌは帰宅した。



 ヅダ 「おう、お帰り」

 ギャンヌ 「あ、兄さん。練習終わったの?」

 ヅダ 「ああ、今あがった所だ。父さんとβはもうちょっとやるって」

 ギャンヌ 「そう、じゃ、ちょっといい?話があるの」

 ヅダ 「ん?なんだ?」

 ギャンヌ 「あのゼーゴックって娘のことなんだけどね」

 ヅダ 「おお、昼は残念だったな。あれから何か進展あったか?」

 ギャンヌ 「そのことなんだけど、彼女はやめといた方がいいような・・・」

 ヅダ 「む?何で?あんなに元気のいい娘、そんじょそこらにいないぞ?」

 ギャンヌ 「ま、まあそれはそうだけど、ちょっとね・・・」

 ヅダ 「何か気になることでもあるのか?」

 ギャンヌ 「うん、あのね、放課後彼女と会ったんだ。それで話したんだけど・・・」

 ヅダ 「うんうん」

 ギャンヌ 「彼女、兄さんのこと好きみたいなのよ」

 ヅダ 「はぁ?」

 ギャンヌ 「だからね、部に入れるのはあまり・・・ほら、練習の邪魔になるでしょ?」

 ヅダ 「あはははははははははは」

 ギャンヌ 「(ムッ)何がおかしいのよ」

 ヅダ 「今朝会ったばかりでそんなわけないだろ。何を言うかと思えばw」

 ギャンヌ 「本当だってば!私直接聞いたんだから!」

 ヅダ 「またまたw」

 ギャンヌ 「彼女、兄さん用のチョコも買ってたのよ!?」

 ヅダ 「義理チョコだよ、義理チョコ。付き合いがいいタイプなんだろ」

 ギャンヌ 「義理じゃないのよ!彼女本気なんだってば!」

 ヅダ 「ははぁ〜」

 ギャンヌ 「な、何よ」

 ヅダ 「お前、女の子が入ると、兄さん取られると思ってヤキモチやいてるんだろ」

 ギャンヌ 「な・・・!そんなわけないでしょ!」

 ヅダ 「え〜?そうかなぁ?」

 ギャンヌ 「当たり前でしょ!」

 ヅダ 「ははは。どっちにしても俺はお前を一番大事に思ってるんだから安心しろ」

 ギャンヌ 「そういうことじゃなくって!」

 ヅダ 「ほらもうバカなこと言ってないで着替えて来いよ。お前の取り越し苦労だよ」

 ギャンヌ 「もう!明日になってびっくりしろ!バカー!」



  そして翌日・・・。


 ヅダ 「よし、今日は余裕たっぷりだな。ギャンヌ、行くぞー」

 ギャンヌ 「ほんとにゼーゴックさんのことちゃんと考えてよ?私、あの娘苦手」

 ヅダ 「わかったわかった」


  一方十字路ではゼーゴックがヅダを待ち伏せていた。


 ゼーゴック 「ふふふ・・・完璧だわ・・・わたしが徹夜して作ったこのチョコ製愛の像・・・

        これで運命を決定的な物にするのよ!昨日あんなに色々心配してくれた義姉さんのためにも!」


 ヅダ 「いつも朝ギリギリまで練習してるが、こうして余裕持って登校するのもいいもんだな」

 ギャンヌ 「そうねえ(きょろきょろ)」

 ヅダ 「なにきょろきょろ見てるんだ?」

 ギャンヌ 「あの娘がどこかに勘潜んでる気がして・・・」

 ヅダ 「まだ気にしてんのか?」


  そして昨日の十字路に差し掛かった時・・・、


 ギャンヌ 「(ピキーン)は!この気配!そこかぁ!!!」


  ギャンヌは目にもとまらぬ速さで手近にあった金属性くずかごを投げた。

  ドンガラガッシャーンと昨日に続き破壊音が響き渡り物陰からゼーゴックが出てくる。


 ゼーゴック 「いてて・・・よくわかりましたね。さすが義姉さん」

 ギャンヌ 「あなたの気配は見逃さないわよ」

 ゼーゴック (はぁぁぁぁ!義姉さんがいつもわたし達を見守ってくれてる・・・なんて心強い・・・)

 ギャンヌ (また何か勘違いしてそうね・・・)

 ヅダ 「おいおい、何してんだ。は!君は!」

 ゼーゴック 「あ!おはようございます!ヅダさん!(にこぉ)」

 ギャンヌ (無性に腹立つなぁ・・・この笑顔

 ゼーゴック 「にこにこにこ♪」

 ヅダ 「ヤ、ヤァ!ゼーゴック君!

     ホンジツは、オ日柄モヨロシク貴女にアラセラレマシテはゴキゲンイカガニゴザルカ!」

 ギャンヌ 「思いっきり意識してテンパってんじゃないわよー!」

 ゼーゴック 「ゴキゲン最高でゴザル!だってこうやって朝からヅダさんに会えたんですもの」

 ヅダ 「ソソソソンナ、ワガハイハ、

     左様ナル者ニハアラズシテ貴女ノ好意ニハ当ラザリシコト山ノ如クナレバ・・・」

 ギャンヌ 「普通に戻れー!!!」


  ギャンヌが先程のくずかごを振り上げてヅダの頭を思いっきり殴りつける。


 ヅダ 「ぐお!はっ・・・俺はいったい何を・・・」

 ギャンヌ 「何がわかってるよ(じとー)」

 ゼーゴック 「あの・・・ヅダさん?これ・・・わたしが一生懸命作ったの・・・」

 ヅダ 「え?え?」


  テンパッてる所にぶん殴られたのが効いて、ヅダはうっかりチョコ像を受け取ってしまった。


 ゼーゴック 「受け取ってくれるんですね!」

 ヅダ 「あ?え?」

 ギャンヌ 「ちょっと兄さん!!」

 ゼーゴック 「ありがとう!でも恥ずかしいから後でこっそり見てね!」


  ドドドドドドドといつもながらの俊足でゼーゴックは走り去っていった。


 ギャンヌ 「もう!なにやってんのよー!」

 ヅダ 「だ、だって・・・(オロオロ)」

 ギャンヌ 「そんで何なの。この巨大な包み」

 ヅダ 「お、おう、ちょっと見てみるか」


  包みを解いた中から出てきたのは

  全高30cmにも及ぶ幸せな笑顔で抱きあうヅダとゼーゴックのチョコ像だった。



 ヅダ 「こっ!」

 ギャンヌ 「・・・・・・・・・・・・・・・わかったでしょ?」

 ヅダ 「き、器用だなぁ、彼女。ハハ・・・ハハハ・・・」

 ギャンヌ 「もう!」


 ゼーゴック (ああ!ヅダさんも私の愛を受け入れてくれたのね!今わたしは人生で一番幸せ!)


  ドドドドドド ドカァ! ドドドドドド


 ボール 「ぎゃん!」


  薔薇色フィルターで前が見えなくなっている彼女に

  登校中のボールが跳ね飛ばされたが、

  それはまあ小さいことである。


 ギャンヌ 「はぁ・・・胃に穴があきそう・・・」


  時は経って放課後、

  ギャンヌは疲れきっていた。

  一日中幸せオーラ全開で話し掛けてくるゼーゴックの相手は

  彼女にはつらすぎる作業だった。

  ギャンヌが何を言っても自分に都合よく解釈してしまうし、

  悪意がないだけに邪険にも出来ず、

  ギャンヌのストレスはたった一日で人生最高度にまで高まっていたのだ。


 ギャンヌ 「もうほんと兄さんにはちゃんと言ってもらわないと・・・体がもたないよ・・・」


  ギャンヌは憂鬱な気分を練習で晴らそうと武道場に向かった。


 ギャンヌ 「よし!春の大会もあるんだし、こんなことにかまけてもいられない。気合入れて練習しよ!」


  武道場の扉をくぐるとそこには・・・、


 ゼーゴック 「ヅダさんかっこいいー!がんばれー!ふぁいおー!」

 ヅダ 「ソソソソウデあリマすカ!ボボボボクそんナコト言わレタのハ古今ニ例ナくシテ・・・」


  そこには楽しげなヅダとゼーゴックがいた。


 ギャンヌ 「何してんのよー!あんたたちー!!!」

 ゼーゴック 「あ!義姉さん!」

 ヅダ 「ヤア!ギャンヌちゃん!今日ハあたタかクテイイ日ナリ!」

 ギャンヌ 「アホかー!」


  ギャンヌの怒りは臨界点を突破してしまった。

  側の畳を剥がすと、畳を縦に持ってヅダの頭を思いっきり殴りつける。


 ギャンヌ 「ちゃんと!」

  ゴガ!

 ギャンヌ 「するって!」

  ゴガ!

 ギャンヌ 「言ったでしょ!」

  ゴガ!ゴガ!ゴガ!

 ギャンヌ 「約束はちゃんと守れー!!!」

  ゴガゴガゴガゴガゴガゴガゴガゴガ

 ヅダ 「ぐ・・・お・・・ぉぉぉ・・・」


  さすがのヅダも、この攻撃には耐えかねたと見え、

  ゆっくりと倒れ、そして動かなくなった。



 ギャンヌ 「はぁはぁはぁ」

 ゼーゴック 「きゃー!ヅダさん!大丈夫ー!!?」

 ギャンヌ 「あんたも何やってんのよ!今日から水泳部だって言ってたじゃない!さっさと練習に行けー!!!」


  原型を留めないほどボロボロになった畳を鬼の形相で振り上げるギャンヌ。


 ゼーゴック 「は、はいー!すいませんー!」


  さすがのゼーゴックもギャンヌの気勢に気おされて腰を上げる。


 ゼーゴック 「ヅダさんごめんね?わたし、すぐ戻ってくるから!」


  ゼーゴックはプールに走り去っていった。


 ギャンヌ 「もうやだ・・・」


  ぺたんと座り込んだギャンヌの横で、倒れたヅダの頭部から流れ出した血が水溜りを作っていく。


  ドドドドドド

 ゼーゴック 「うう・・・約束したことは守らなくちゃいけない・・・。

        義姉さんは忘れがちなそのことを教えてくれたのね・・・。

        厳しくもなんて優しい義姉さん。

        わたし、ちゃんと約束どおりヅダさんを支えつづけるわ!」

  ドドドドドド バターン ドドドドドド


  更衣室に飛び込んだと思ったゼーゴックが

  水着に着替えてプールサイドに走っていく。

  なんとそのタイムわずか20秒。


 ゴッグ 「みんな聞いて。昨日転校してきたゼーゴックが水泳部に入ってくれることになったんだ」

 ズゴック 「ちゃんと場所はいっといたんだけど、遅いなぁ」


  ドドドドド


 ズゴック 「あ!来た来た」

 ゼーゴック 「はぁはぁ、ズゴックちゃん!今日のメニューは!?」

 ズゴック 「あ・・・えと、ウォーミングアップ25m10本。

       それから100m14本、50m3本。で、クールダウン200mよ」

 ゼーゴック 「2kmね!行きます!」

 ズゴック 「あ!ちょっと!みんなに紹介するから!」


  ザン!聞く耳も持たずプールに飛び込むゼーゴック。


  ザザザザザザザザザ


 アッグガイ 「うお!はええ!!」

 ゾック 「まあ〜、水に潜ったまま泳いでらっしゃるわぁ〜」

 ズゴック 「ちょっとー!上がってらっしゃーい!」


  ドザザザザザザザザ


 ゼーゴック 「終わりました!上がります!」


  ドドドドドド


  ゼーゴックは嵐のように泳ぎきり、走り去っていった。


 ズゴック 「ちょっとー!紹介するから戻ってらっしゃーい!!!」

 ゴッグ 「・・・・・・・・・・・・・・・今、2km息継ぎしなかったよな」

 アッガイ 「バケモノ・・・(ボソ)」

 ズゴック 「誘ったの失敗だったかしら・・・」



  一方こちら武道場ではギャンヌが気絶したままのヅダの血の始末をしていた。


 ギャンヌ 「ふう・・・終わりっと。気を取り直して練習しよ。ほら、兄さん起きて」

 ヅダ 「う・・・うーん・・・もう朝か・・・頭が痛い・・・」

 ギャンヌ 「何寝ぼけてんの。学校の道場よ」

 ヅダ 「む?そうだった。練習しにきて・・・はて、それから何か幸せな事があったような気がするが・・・」

 ギャンヌ 「 練 習 す る よ 」

 ヅダ 「お、おう(なんかギャンヌ、今日はえらい気合入ってるな)」


  バターン


 ゼーゴック 「ただいま!練習終わりました!」


  濡れた水着姿のままでゼーゴックが帰って来てしまった。


 ギャンヌ 「早!さっき行ったばかりじゃないの!」

 ゼーゴック 「ちゃんとメニューこなしてきましたよ♪ズゴックちゃんに確かめてください!」

 ヅダ 「ミミミ水着・・・」

 ギャンヌ 「見るなー!」

 ゼーゴック 「ん?ヅダさん、水着好き??」

 ヅダ 「ススス好キカ嫌イカと問われレバ、好キト言わザルを得ナイトイウ古人ノ言葉モアるホドニ・・・」

 ギャンヌ 「コラー!!!!」

 ゼーゴック 「えと・・・ヅダさんにならわたし・・・水着の下だって見られても・・・なんて♪」

 ヅダ 「シターーーーーー!!!!!」

 ゼーゴック 「見たいです?」

 ヅダ 「ミミミミタイデ候!」

 ギャンヌ 「兄さんのバカー!あなたもちゃんと着替えてきて!」

 ヅダ 「マ、マア、ソンなニ急ガなクテモいいジャなイカ。コッチデ御茶デモイカガカナ?」


  いつのまにか畳に広げた緋毛氈の上でヅダがカクカクしながらお茶を淹れている。


 ギャンヌ 「どっから出したのよ!それ!」

 ゼーゴック 「あら、ステキ。ヅダさん、お茶の心得もあるのね?」

 ヅダ 「ハハハ、コれモ武人ノ嗜ミとイイ伝えラレル心ノイトアハレナルモ・・・」


  ブチ


  何かが切れた音がした。



 ギャンヌ 「ちょっとそれかして」

 ザクUF 「これ?いいけど・・・」


  隣の剣道場で練習していたザクUFから素振り用の重い木刀を借りる。


 ギャンヌ 「死ねええええええ!!!!!!」

 ザクUF 「おい!なにしてんだよ!」

 ヅダ 「ゴハ!」


  ドカ!バキ!ゴシャ!ボキ!


 ギャンヌ (無言


  ドカドカドカドカドカドカドカドカ


 1分後、血の海と化した柔道場に倒れ伏すヅダを仁王立ちで見下ろすギャンヌがいた。


 ギャンヌ 「はい、ありがと」


  血で黒く染まった木刀を返す。


 ザクUF 「い、いい・・・いらない・・・」

 ギャンヌ 「そ、じゃあもらっとくわ。これからも必要でしょうから」

 ザクUF (ぞぉ〜・・・)←戦慄

 ゼーゴック 「きゃー!ヅダさん!!!呼吸が止まってる!!!今、人工呼吸を(ポ)」

  ムックリと血を流しながらヅダが起き上がる。

 ヅダ 「ナアニ、平気サ!(ドクドクドク)」

 ギャンヌ 「まだ生きてたかー!とどめ!!!」

  バキィ!ばったり・・・

 ゼーゴック 「きゃああああ!今度こそ人工呼吸をー!」

  ムックリ

 ヅダ 「ハハハ。大丈夫!」

 ギャンヌ 「おのれゾンビかー!」

  バキ!

 ゼーゴック 「きゃあああ!」

 ヅダ 「ナンノコレシキ!」


  ヅダが完全に活動停止するまでこんなやり取りが数十回繰り返された。

  こうしてゼーゴックのバレンタインは

  形は今までと違えど、やはり今年も血染めの惨劇に終わったのであった。



2006/02/14 13:20:05  >>8氏
2006/02/14 13:21:30  >>9氏
2006/02/14 13:24:16  >>10氏
2006/02/14 13:26:45  >>11氏
2006/02/14 13:28:33  >>12氏
2006/02/14 13:31:31  >>13氏
2006/02/14 13:33:34  >>14氏
2006/02/14 13:36:30  >>15氏

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