MS擬人化で萌えよう まとめサイト(仮)


● 世界にひとつだけの花は本当に存在するのか ●


 ゼーゴック 「ヅーダーさん♪お弁当作ってきたから、お昼一緒に食べましょ♪」

 ヅダ 「本日モ!ワワワワタクシノたメニ料理なド!コココココ光栄デアリマシタ!ゼーゴック殿!」


  お昼時の2‐Bで繰り広げられている光景を見ながら溜息をつく女が一人。

  この頃、昼休みに図書室に向かう途中でいつも見る光景・・・。


 ガザD 「はぁー・・・いいなぁ・・・」


  人目をはばからぬ熱烈な恋など自分にできるわけもないことはわかっていた。

  まさに平凡を絵に描いたような自分・・・。

  でも経験したい!あそこまでアホになれるような恋を!


 ガザD 「ふぅ・・・でも無理だよね・・・」


  自分にはそんな勇気も、そこまで人に愛されるほどの特質がないこと思い出しまた深い溜息をつく。

  毎日図書室に通い、幻想の世界で自分をなぐさめるだけの、安全だけど刺激のない毎日に

  彼女は辟易していたのであった。


  数分前。


 ゼーゴック 「おべんと♪おべんと♪じゃあ、義姉さん、いってきまーす!」

 ギャンヌ 「ハイハイ・・・・・・・・・・・・・・・」


  そんな二人を見ながら溜息をつく男がいた。


 ネモ 「ゼーゴックさんは今日もお弁当作ってきたのか・・・」


  ゼーゴックが5段重ねの大きい重箱をもって出かけるようになったのは

  バレンタインデーの翌日からだった。

  なんでも上級生のヅダさんのところに毎日通っているらしい。


 ネモ 「いいなぁ・・・俺もあんな風に誰かに好かれてみたいなぁ・・・」


  ヅダさんは特別な人間だ。人気はないけど。

  それは十分わかっている。人望もないけど。

  柔道で全国の頂点を目指し、既に海外の強豪とも試合をしたこともあるというスポーツエリートだ。


 ネモ 「はあ・・・俺はなんもないからなぁ・・・」


  昔から何でも人並みにはこなしてきた。

  そんな自分に不満はない。ないけれども・・・、


 ネモ 「ふう、図書館でも行くか・・・」


  考えても埒があかないことは考えない。それが平凡に生きるネモの処世術だった。

  そんな彼がそこにいるときだけ平凡な人間でなくなることができる場所、

  そこが図書館の本の中の世界だったのである。


  話はガザDのほうに戻る。

  彼女は返却予定の数冊の本を持って図書室へ向かっていた。


  ドン!

 ガザD 「きゃ!」

 ビグロ 「オラ、廊下の真ん中トロトロ歩いてんじゃねーよ!邪魔なんだよ!」

 ガザD 「す、すいません!気をつけます・・・(ビクビク)」

 ビグロ 「誰だかしらねぇけど気ィつけろ!右側の端っこ歩け!」


  返却するために持ってきた本をぶつかった拍子に落としてしまい拾い集めるガザDに

  妙に倫理的な説教をするとビグロは肩を聳やかして行ってしまった。



 ガザD 「ふぅ〜・・・隣のクラスの人にも顔覚えられないくらいなのね・・・私・・・」


  さっきヅダとゼーゴックを見た後だけにこれはガザDの心に妙に堪えた。

  ヅダのような彼氏がいたら、ビグロなんか一瞬でやっつけてしまうだろう。

  そしてその妄想がありえないことを認識して一層暗い気持ちになる。


 ??? 「大丈夫ですか?」


  そこに誰かが声をかけてくれた。


 ??? 「はい、これ。落とした本」

 ガザD 「あ、ありがとう。大丈夫です、心配しないで」

 ??? 「そうですか。これ、図書館に返しに行く所だったんですか?」

 ガザD 「ええ、そうなの。それと私、図書部だから・・・」

 ??? 「あ、そうなんですか。俺も図書館行く所だったんですよ。

     (毎日行ってるけど見たことない人だなぁ)」

 ガザD 「そう。じゃあ図書館まで一緒に行きましょ?

      (毎日カウンターに座ってるけど見たことない人だなぁ)」

 ??? 「あ、本持ちましょうか?」

 ガザD 「あ、気にしないで。それより、よかったら名前教えてもらえます?」

 ??? 「あ、おれネモです。1‐Aの」

 ガザD 「私、2‐AのガザDって言います。よろしくね」

 ネモ 「あ、ども。俺の方こそよろしくお願いします」


  どっかの誰かのようにそんなことから恋が始まることなどありえようもなく

  二人は図書館に着くとそれぞれ好きな本を読み、授業に戻り、そして帰宅した。


  とはいえ、昼間の小さな出来事は二人の心に小さな灯をともしたようだ。

  二人は帰宅してからもお互いのことを思い出していた。


 ガザD 「昼間の彼、優しかったな。また昼休みには来るって言ってたし、明日楽しみだな」


 ネモ 「ガザDさんかー。控え目な感じで優しそうな人だったな。今度は好きな本の話とかできるといいな」


 ガザD 「穏やかそうな人だったなぁ。あの笑顔、わたし結構好きかも・・・って・・・ん?笑顔??」


 ネモ 「そんなに派手な感じじゃないけど結構かわいかったよな。特に笑うと・・・笑うと・・・笑うと・・・?」


 ガザD&ネモ 「・・・・・・・・・・・・・・・顔が思い出せない」


  見た目も中身もあまりに平凡すぎた故の両者の悲劇。

  この後二人が再びお互いの存在に気づくことが出来たかどうかは定かではない。



2006/02/16 15:43:38  >>27氏
2006/02/16 16:09:32  >>28氏

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