MS擬人化で萌えよう まとめサイト(仮)


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 ヅダ 「さて・・・どうしたもんかな・・・」


  ヅダは悩んでいた。もちろんホワイトデーのことである。

  毎年ギャンヌからしかチョコをもらったことのない彼は

  いったいどんなお返しをしたらいいか

  皆目見当もつかないでいたのであった。


 ヅダ 「困った・・・女の子ってのはいったいどんなものを喜ぶんだろう」


  しかももらったのは手作りチョコ像である。

  世間並みの×倍返しというのは

  価値がつけられない贈り物だけに通用しない。

  ギャンヌに聞けばわかるのかもしれないが・・・、

  この話は聞けない・・・。

  思い悩んだヅダは数分後、体育館のフェンシング部を訪れていた。


 ヅダ 「そんなわけで、是非女性の心をご教授いただきたい!」

 ガルバα 「な、なんですの?いきなり?というか、どんなわけですの?」

 ヅダ 「実はカクカクシカジカという訳で・・・」

 ギャン 「へぇー・・・ヅダ君にもそんな話が」

 ヅダ 「俺に面識のある女性では、ガルバさんはやはりずば抜けて華やか」

 ガルバα 「あらぁ、さすがにあなたにもわかりますのね?あたくしのこの美貌」

 ヅダ 「はい。あなたのそのチャラついた様子なら、

     さぞやホワイトデーのやりとりには通じておられると見ましたが、いかが?」

 ガルバα 「(ピキピキピキ)相変わらず一言多い男ですわね・・・」

 ギャン 「もー、ヅダ君、その鈍感さ直さないと、彼女に嫌われるよ?」

 ヅダ 「む!?な、なにか失礼でも?」

 ギャン 「まーいいけど・・・人と接する時には思いやりをもってね」

 ヅダ 「は、はあ。なかなか難しいですね」

 ガルバα 「まあいいですわ。あたくしを頼ってきたのは大正解よ」←実はちょっと嬉しい

 ヅダ 「おお!やはり!!」

 ガルバα 「いいですこと?お返しの基本は誠意を形で表すという視点ですわ!」

 ヅダ 「ふむ、できればもうちょっと具体的に・・・」

 ガルバα 「例えば、もらった物と同じような価値のお返しでは

        一通りの好意しか持ってないように思われてしまいますわ」

 ヅダ 「なるほど」

 ガルバα 「ですから、自分の気持ちが相手の気持ちに負けないほど重いことを表すには、

        お返しもまた相手よりも重いものにしなくてはいけないのよ!」

 ヅダ 「なるほど!重さか!!これは気付かなかった!!!」

 ガルバα 「ただし、違いすぎるのはだめよ。それだと男性の気持ちが重すぎてバランスが取れないもの」

 ヅダ 「さすがホワイトデーの第一人者!」

 ギャン 「そうねぇ、ちょっとずるい気もするけど、やっぱり・・・」

 ヅダ 「あ、ギャンさんは結構です」

 ギャン 「?」

 ヅダ 「いくら鈍感な俺でも、地味でホワイトデーとは無縁に見受けられるあなたに

     無理に話をさせるほど残酷ではありませんよ(にっこり)」

 ガルバα 「ぷ!!!!」

 ギャン 「そんな思いやりの示し方されても・・・_| ̄|○ 」

 ガルバα 「(クスクス)まあそういうことよ。がんばりなさいな」

 ヅダ 「はい、大変参考になりました。ありがとうございました!」


  そう言って深々と頭を下げると、ヅダは風のように走り去っていった。


 ヅダ 「重さとは気付かなかった!やはり女心は女性に聞くに限るな!」



  所変わって、こちら603金属製作所。ヅダ父の経営する町工場である。

  金属加工の技術力には定評のあるこの工場、なかなか繁盛してるようだ。そこに・・・


 ヅダ 「父さんただいま!ちょっと機械使わせてくれないか?」


  風のように走って帰ってきたヅダが飛び込んできた。


 ヅダ父 「うん?いいけど、何すんの?」

 ヅダ 「ゼーゴック君にプレゼントを作りたいんだ」

 ヅダ父 「おお、そうか!嫁御に贈り物とは感心。よしよし、材料も自由に使え」

 ヅダ 「ありがとう。父さんに仕込まれた技術を全て駆使して、彼女を喜ばせるプレゼントを作って見せるぜ!」


  その日、ヅダは家のほうには帰らなかった。


 ガルバβ 「姉さん、兄さんどうしたの?」

 ギャンヌ 「知らない。工場でなんか作ってるって(怒)」

 ヅダ父 「嫁御にホワイトデーのプレゼントだそうだ」

 ガルバβ 「へー、そうなんだ」

 ギャンヌ 「私には売り物のお菓子しかくれたことないのに・・・(怒)」

 ガルバβ 「ま、まあまあ姉さん。しかし、今日は兄さんの好物の里芋の煮物なのに、よっぽど一生懸命なんだね」

 ギャンヌ 「私の料理なんかより、あの娘の方が大事なんでしょ!(怒怒怒怒怒)」

 ガルバβ (しまった・・・これ以上はだまっとこ・・・)


  そして朝・・・。


 ヅダ 「で・・・できた・・・」


  ヅダの手元には見事な金属製の彫像であった。


 ヅダ 「違い過ぎず(ゼーゴックと同じ彫像)、更に相手より重く(金属製)・・・これで完璧なはずだ!」


  ガルバのアドバイスは思ったとおり彼には通じてなかった。

  そこに、さすがに心配になったギャンヌが様子を見に来た。


 ギャンヌ 「兄さん、今までやってたの?大丈夫?」

 ヅダ 「お!ギャンヌ、いいとこに来た。これ見て!これ!」


  ヅダが徹夜で削りだしたその彫像を差し出す。

  そこには実に見事なゼーゴックの座り姿が刻まれていた。


 ギャンヌ 「(ムカ)ふーん・・・ま、まあ似てるんじゃない?」

 ヅダ 「そうか?俺も我ながらなかなかよく出来たと思うよ」

 ギャンヌ 「それより学校までちょっと休んだら?ご飯もよければ用意するけど・・・」

 ヅダ 「いや、いいよ。彼女にすぐに届けてくる」

 ギャンヌ 「あーあーそうですか。それならご自由に」

 ヅダ 「っと、その前に・・・ほら、これはお前にだ」


  そう言ってヅダが差し出したのはギャンヌの姿を刻んだ像だった。


 ギャンヌ 「これって・・・私の分まで徹夜して作ってたの?」

 ヅダ 「お前にもチョコもらったし、いつも世話かけてるしな。どうだ、なかなかだろ?」


  その像はゼーゴックのものと大きさといい仕上がりといい甲乙つけがたいものだった。


 ギャンヌ 「あ、ありがと・・・うれしい・・・でもちょっと美人過ぎるよ、これ(笑)」

 ヅダ 「そう?まあ元々お前自身も美人だからな」

 ギャンヌ (/////)

 ヅダ 「じゃあ、俺は彼女に届けてくるよ。また学校でな」


  そう言って徹夜の疲れも見せずに出て行くヅダ。それを見送りながらギャンヌはつぶやいた。

 ギャンヌ 「こういう時は彼女と妹で差をつけなきゃだめでしょー。もう・・・バカ」



  こちらいつもの交差点。バレンタインとは反対に、ヅダはゼーゴックを待ち構えていた。


  ドドドドド


 ヅダ 「来たか!ゼーゴック君!!!」


  キキー!!!


 ゼーゴック 「あ!ヅダさん!おはようございます。どうしたの?」

 ヅダ 「こここ、これを、きき君に・・・」←ちょっとだけゼーゴックに慣れてきてる

 ゼーゴック 「え!?これ・・・」

 ヅダ 「さささ、昨夜作ったんだ」

 ゼーゴック 「わ!すごいー!これ・・・もしかしてホワイトデーのお返しです?」

 ヅダ 「う、うん、つまらんものだが」


  一瞬見開かれた彼女の大きな瞳から、次の瞬間涙が零れ落ちた。


 ゼーゴック 「う、うれしいですぅ・・・わたし、ほんとうれしいですぅ・・・」

 ヅダ 「(オロオロオロ)な、泣かないで!大丈夫だから!」←何がだ

 ゼーゴック 「わたし、ほんとにこれ大事にします!いつでも一緒に持ち歩いて!」

 ヅダ 「え!?」

 ゼーゴック 「はぁぁぁぁ!!こんな幸せな日がわたしに訪れるなんて・・・!」

 ヅダ 「あ、あの、それ、持ち歩くには重くない?」


  無垢の金属製のその像は、重さ20kgはある代物だった。


 ゼーゴック 「ううん!全然重くないです!それにヅダさんがくれたものですもの。わたしのお守りです!」

 ヅダ 「;;;そ、そう?あの、でも、無理はしないでね?;;;」

 ゼーゴック 「はい!わかってます!大丈夫ですよ♪」


  その後もゼーゴックは宣言したことを守り通し、

  20kgの彫像を持ち歩きつづけた。

  そして、その増加した重量と

  持ち運びで鍛えられた脚力から繰り出される体当たりは、

  もはや自動車事故にすら匹敵する破壊力を持つに至り、

  人間凶器を化した彼女の走行ルートにうっかり割り込み、

  跳ね飛ばされた不運な犠牲者たちの多くに

  長期の療養生活を強いることとなるのであった。



2006/03/13 23:51:12  >>166氏
2006/03/13 23:56:53  >>167氏
2006/03/13 23:58:20  >>168氏

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