俺は校舎の裏にいた。
この学園に入って一週間ほど。少しずつここの空気にも慣れてきた。
ということで校舎を一周してみようと思ったのだ。
校門から部活の新入生の呼び込みの声が聞こえている。この学園は部活が盛んらしい。
部活には入ろうかな、とうっすら思う程度でどの部活に入ろうとかはまだ決めてない。
出来れば女の子が多い部活がいいよな。
運動部がいいかな、着替えがあるし。んなことを思いながら武道場の方にまわったときだった。
??? 「・・・？」
明らかに怪しい男が武道場の上のほうにある窓に手をかけている。
それから懸垂の要領で頭を窓まで持っていこうとするのだが上手くいかないようだ。
それに夢中で俺には気づいていない。
おそらく覗きだろう。しかもこいつの顔には見覚えがあった。確か同じクラスの・・・。
辺りを見回してみると草むらに誰かか捨てただろう木箱があった。それを持って覗きのもとに向かう。
??? 「おい」
??? 「！！！！い、いやこれは別に覗きとかそんなのじゃ」
??? 「これ、使えよ」
声を掛けられてファビょる覗きに木箱を渡す。
??? 「これに乗れば届くだろ？」
??? 「あ、ああ」
??? 「あとで俺にも覗かしてくれよな」
??? 「！わかったぜ」
そして覗きが木箱を踏み台にして窓から中を覗いたそのときだった。
??? 「皆、覗きだ！」
??? 「げっ！」
見つかるの早っ！いや、つっこんでる場合じゃない、俺も共犯だと思われちまう！
??? 「逃げるぞ、こっちだ！」
??? 「・・・逃げ足が速いな」
??? 「まだ遠くへは行っていない筈です、探しましょう。覗きめ、よりによって姉上を覗くとは！」
??? 「行くぞ」
竹刀を持った二人組が校舎のほうへ走り去っていく。
??? 「ふう・・・」
草陰から身を起こす。どうやら気がつかなかったようだ。
??? 「助かった・・・あの、ありがとよ」
覗きが礼を言う。
??? 「気にすんな。お前さ、ザクⅡＦだろ？１年Ｃ組の。
覗く時は逃げるときの隠れ場所を決めておいたほうがいいぜ」
ｻﾞｸⅡF 「なるほど・・・そうだ。お前、一緒に剣道部入らねえか？」
??? 「剣道部？さっきお前が覗いてたとこか？」
ｻﾞｸⅡF 「ああ。あそこ今女子部員しかいないんだよ。そこに俺たちが入ってみろ？ちやほやされるぜ」
??? 「・・・それもいいかもな」
ｻﾞｸⅡF 「あ、名前聞いて無かったよな。なんていうんだ？」
??? 「同じクラスの奴の名前くらい覚えておけよ。俺の名前は・・・」
ｻﾞｸⅡF 「・・・ザム、バーザム？」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「あ？ああ、ザクか」
ｻﾞｸⅡF 「授業終わったぜ。ほら、部活行くぞ」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「すまねえ、ちょっとぼおっとしてた」
ｻﾞｸⅡF 「恋煩いですか？」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「違う。お前こそ、ドライセンとはうまくいってるのか？」
ｻﾞｸⅡF 「あいつは俺の事を嫌ってるんだよ。こっちに期待させといて嫌がらせに不味い弁当食わせるしよ」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「・・・あいつはそんな嫌がらせする奴じゃないと思うぞ。
ただあいつがものすごい料理下手だったんじゃないのか？」
ｻﾞｸⅡF 「そうか？」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「だと思うぞ。青ヤクトから話聞いたけどよ、お前は勝手にそう決め付けたんだろ？
もしドライセンがお前に喜んでもらおうとして作ったんなら傷つくと思うぜ」
ｻﾞｸⅡF 「あ・・・」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「謝りに行ってやれよ。
もしあいつがお前を嫌ってたとしても、何か仲良くなるきっかけがつかめるかもしれないぜ」
ｻﾞｸⅡF 「・・・そうだよな。行ってくる。・・・ありがとな」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「いいんだよ。親友だろ？俺たち？」
ｻﾞｸⅡF 「ああ！」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「どうだった？」
ｻﾞｸⅡF 「弁当に悪気は無かったみたいだけど、
謝っても許してもらえなかったらしく顔真っ赤にして殴られました」
ﾊﾞｰｻﾞﾑ 「ドライセン・・・（´・ω・`）」
2006/04/22 10:38:58 >>268氏
2006/04/22 11:21:24 >>269氏
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