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● アナザーG☆学園物語 ●【3校目分】


  メリクリウス・シュイヴァンは、“アナザーG☆学園”に通う、可愛いがおとなしい目の女の子だった。

  彼女には意中の人がいた。

 メリクリウス・シュイヴァン 「グリープ君・・・」

  今、彼女は自宅でお弁当を作っている。

  無論彼の分も作るのだが、勇気が無くて渡せた事は無い。

 メリクリウス・シュイヴァン 「今日こそ・・・今日こそこれを渡して・・・言わなきゃ・・・」

  あまり感情表現が多彩でない彼女は弁当アタック作戦と言う王道的作戦を脳内で進めているのだ。

 メリクリウス・シュイヴァン 「今日こそ・・・きゃっ!?」

  突然背後から抱きつかれた。

 ??? 「メリ〜ちゃーん!お弁当作ってるんだー。お姉ちゃんの分はあるかにゃ〜〜?」

  酔っぱらいの様に絡みついてくるのは彼女の姉ヴァイエイト・シュイヴァン。

  いや、事実酔っぱらっている。朝からお酒を飲んでいるのだ、この人は。

 メリクリウス・シュイヴァン 「お姉ちゃん!また朝から飲んで!」

  姉の口から溢れだす酒の臭いに顔をしかめる。

 ヴァイエイト・シュイヴァン 「子供が細かい事気にしちゃダメだぞぅ?

              でも心配してくれるメリ〜ちゃーんは可愛いにゃ♪」

  既に姉がイってしまっている事を『メリ〜ちゃーん』は悟った。

  大して酒に強い身体でもないくせに、やたらと飲みたがる。それで酒癖が悪いのだ。

 メリクリウス・シュイヴァン 「お姉ちゃん、そんなので一日大丈夫?」

 ヴァイエイト・シュイヴァン 「今日は講義ないもん。暇を貪ることこそ大学生の特権である〜♪」

  そう言いつつ目の前の卵焼きに手を伸ばす姉。

 メリクリウス・シュイヴァン 「駄目!これは」

 ヴァイエイト・シュイヴァン 「分〜かってるわよ。愛しの彼のでしょ〜?」

  姉はそう言うと手を止めた。

 ヴァイエイト・シュイヴァン 「頑張れメリ〜ちゃーん!お姉ちゃんはメリ〜ちゃーんの恋を応援してまーす!!」

 メリクリウス・シュイヴァン 「あんまり大きい声で言わないで・・・ご近所に聞こえる」

 ヴァイエイト・シュイヴァン 「恥ずかしがるな!

              恋なんてのは大型砲をぶっ放すかの様に行かなきゃ駄目なんだから・・・

              どかーんってね!あははははは」

  話にならんと見たメリクリウス・シュイヴァンはこの酔っぱらいを放って家を出た。

 メリクリウス・シュイヴァン 「あっ・・・」

  ふと目に入ったのは道を行くグリープ。彼も登校途中の様だった。



 グリープ 「だからよー、ちょーっと見せてくれるだけでいいんじゃねぇか」

 ハイドラ 「駄目よ。貴方は昔からそう。何時も私に頼ればどうにかなると思っているのではなくて?」

 グリープ 「頼む!今日提出し損なったらマジでヤバいんだって」

 ハイドラ 「そもそも当日の朝になってからそう言う事を言い出すのが信じられないっ」


 メリクリウス・シュイヴァン (グリープ君と、ハイドラちゃん・・・)

  グリープとハイドラ。共に"ガンダム族"のよしみで、昔から家ぐるみの交流があったようだ。

  グリープは成績は平凡だが活発でスポーツ万能。(其処がメリクリウス・シュイヴァンの好意的要素である

  ハイドラは文武両道を絵に描いたような娘。

  こと学業面に関してはグリープの世話を焼いてきたようだ。

  人柄とはあまり関係ないが、服装は何時もミニスカート。


 ハイドラ 「だいたい貴方は・・・」

 グリープ 「分かったよ!あきらめりゃいいんだろ」

  子供の様にふてくされる仕種を取るグリープにハイドラは呆れ、ため息をはきつつも

  自分の学生鞄のフタを開けてノートを取り出した。

 ハイドラ 「今から学校へ走って写した所でどれだけできるか分からないけど。

       後で返してくれるなら貸してあげても良くてよ・・・」

 グリープ 「やったぜ!サンキュー、ハイドラ!後でな!!」

  グリープは蔓延の笑顔と共に得意の全力疾走で学校へ向かった。

 ハイドラ 「まったく・・・」

  小学生の頃の宿題忘れから進歩のないグリープに・・・、

  そして、何時までたってもグリープに甘い自分に対しても呆れるハイドラだった。


 メリクリウス・シュイヴァン (あの二人は、今までずーっと一緒に来たんだな・・・)

  いつの間にか電信柱の影から様子を伺っていたメリクリウス・シュイヴァンはそう思うと同時に

  軽々しく彼と話せる彼女を羨ましく思った。

 ハイドラ 「・・・誰?」

 メリクリウス・シュイヴァン 「あっ」

  視線を感じ取ったハイドラがこちらに気がついた。

  メリクリウス・シュイヴァンとハイドラガンダムの、目が合った。



  ハイドラガンダムに声をかけられたメリクリウス・シュイヴァンは、

  慌てて電信柱の裏から飛び出した。

 ハイドラ 「シュイヴァンさん?貴方何をしているの?」

 メリクリウス・シュイヴァン 「えっと・・・その・・・」

  ただ二人の会話を見ていただけだ。特に悪いことをしている訳ではない。

  しかし、こういうとき妙な罪悪感に苛まれてしまい口ごもるのが彼女の悪い癖であった。

  何時までもしどろもどろしているシュイヴァンに対してハイドラは先に口を開いた。

  どの道大したことは無さそうだし、これ以上此処でこうしている時間はないから。

 ハイドラ 「まぁいいわ、早く学校へ行きましょう。遅れるわ」

 メリクリウス・シュイヴァン 「う、うん。そうだね」

  頷くとハイドラと一緒に通学路を歩き始めるメリクリウス・シュイヴァン。


  共に歩きながら、メリクリウス・シュイヴァンは横目で隣人を見た。

  凛とした顔つきに良好なスタイル。

  さらさらなブラウンの長髪が風になびいて、女性の彼女から見てもハイドラガンダムは美しかった。

 メリクリウス・シュイヴァン (勝負になったら勝てる自信ないなぁ)

  等と考えるシュイヴァン。

  が、彼女は“考え事の世界から引きずり戻された。その隣人の言葉に。

 ハイドラ 「シュイヴァンさん?」

 メリクリウス・シュイヴァン 「え?」

  ハッとなった時初めて、ハイドラがこちらを見ている事に気がついた。

 ハイドラ 「どうしたの、ボーっとして」

 メリクリウス・シュイヴァン 「な、何でもないよ・・・」

 ハイドラ 「ひょっとして熱でもあるんじゃ」

  そう言えば、さっき電信柱の所に居たのはしんどくて寄りかかっていたのでは

  ・・・と考えたハイドラ。

  おでこを貸しなさいと言わんばかりに彼女のおでこに自らのおでこを当てる。

  彼女の口から

 メリクリウス・シュイヴァン 「あっ…」

  と声が漏れた。

 ハイドラ 「熱はないようね。本当に大丈夫?」

 メリクリウス・シュイヴァン 「大丈夫だって。元気元気」

 ハイドラ 「そう」

  というとハイドラはメリクリウス・シュイヴァンから離れてまた歩を進める。

  ハイドラには彼女の今の心境は理解し得なかった。



  あと少しで学校という所、今度はシュイヴァンの方からハイドラに声をかけた。

 メリクリウス・シュイヴァン 「ねぇ、ハイドラちゃん」

 ハイドラ 「なに?」

  『ハイドラちゃんはグリープ君のことどう思ってるの?』・・・彼女がもう少し強気な娘ならこう言っただろう。

  しかし今のメリクリウス・シュイヴァンは

 メリクリウス・シュイヴァン 「なんでもない」

  と引き返す事しかできなかった。

  彼女の不自然な仕草にハイドラは不思議そうに首をかしげた。


  二人が教室についたのは8時20分。

  ギリギリというわけではないが、余裕のある時間とは言えない。

  普段の彼女たちの到着時間より10分近く遅く、先行した今日のグリープに比べると20分程遅い時間だった。

 グリープ 「遅かったな」

  ハイドラが荷物を置いて、自分の隣の席(彼女の座席)についたのに気づいたグリープは簡潔に挨拶をした。

  ノートコピー作業中の彼にはゆっくりしている余裕はない。

  ハイドラもそれに気づいているから、

 ハイドラ 「ええ、ちょっとね」

  と軽く返事を返した後は何も言わずに手持ちの文庫本を広げた。

  時々横目で見て、

 ハイドラ 「・・・今の問三」

 グリープ 「え?」

 ハイドラ 「式を写し間違えていてよ」

 グリープ 「あっ」

  くらいのやり取りはしたが。

  その様子をメリクリウス・シュイヴァンは後方の自席から眺めていた。


  HRが終わって一限目に入る頃には、

  グリープはハイドラのノートをすべて写し終えていた。

 グリープ 「助かったぜ、ハイドラ」

 ハイドラ 「どういたしまして」

  ハイドラは満更でもなさそうに自分のノートを受け取った。

 グリープ 「また頼んでいいか?」

 ハイドラ 「断っても聞かないくせに・・・」

  『ダメよ』『今度からは自分でー』等というコトバが意味を成さないのは

  これまでの経験と自分の性格から判断できた。なら、こう言うしか無かった。

 ??? 「自分でやらない人に点数はつけられないなぁ」

  と言う声が二人に投げかけられたのはその時だった。

 グリープ 「げっ兄貴」

 ハイドラ 「ゼロツーお兄ちゃん」

  呼び方は異なれどグリープとハイドラの声はそろっている。

  そして、謎の声の主は二人の目前に立っていた。

 グリープ&ハイドラ 「「何時の間に」」

 ??? 「こらこら。アスクレプオス先生、だろ。二人とも」

  “アスクレプオスと名乗る人物は息が合ったようにハモる二人に呆れ顔でそう注意した。



  この先生は、ハイドラを方を向いて言った。

 グリープ 「ハイドラ。君とグリープの仲のよさは認めるけど、愛と甘さは別のものなんじゃないかなぁ?」

 ハイドラ 「は、はい。すみません先生」

  ・・・とハイドラは頭を下げた。

 グリープ 「何だよ愛って」

  ・・・とグリープは少し反抗的につぶやいた。

  そんなグリープの頭をつかんでぐりぐりするアスクレプオス。

 アスクレプオス 「おいおい。お前は本気で、自分に好意も持たない娘が尽くしてくれると思っているのかい?」

 グリープ 「う・・・」

 ハイドラ 「・・・先生、とりあえず授業なさっては如何でしょうか」

  ハイドラに言われてアスクレプオスが顔を上げると、

  クラス中の視線が其処に集中していることに気づいた。

  これだけの視線の中でこういう話にもつれ込まれるのは、

  彼女にとっては恥ずかしいらしい。

 アスクレプオス 「おっと、すまんすまん。じゃあはじめるぞ。

          グリープ、今回だけはそれに点をつけてやるよ。今回だけ、はね」

  このクラスの授業はこうして開始されるのだった。


  グリープとハイドラには及びもつかないことだが、

  後部席のメリクリウス・シュイヴァンはこのときひたすら

  『仮にハイドラと恋敵になった時勝てるか』について考えていた・・・。



※4校目『アナザーG☆学園物語』【4校目分】へ続く。



2006/05/07 02:07:09  >>288氏
2006/05/07 02:08:34  >>289氏
2006/05/21 02:08:31  >>319氏
2006/05/21 02:09:47  >>320氏
2006/05/21 02:12:33  >>321氏

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