MS擬人化で萌えよう まとめサイト(仮)


● 追悼 ●


  暑い、よく晴れた日だ。

  蝉が鳴いている。

  故人を惜しむかのように。

  木の葉が風でざわめく。

  泣いているかのように。

  今、二人の男が向かい合っている。

  片方は少年といってもいい年頃だ。

  そしてもう片方の男の目は涙で腫れていた。

  そばに寄り添っている女性の目も。

 「頼む」

 「はい」

  男の言葉に少年は頷く。

  少年の隣の赤髪の少女は心配そうだ。

  突然、男が少年に平手打ちを放った。

  少年が吹き飛ぶ。

  起き上がった少年は信じられない表情で男を見て言った。

 「なぐったねえ・・・ブライトさん」

 「ああ殴った・・・殴って悪いか」

  男が答える。

 「きさまはいいさ!

  そうやってぐだぐだ文句をいってりゃいいんだからな!」

 「ぼくがそんなに安っぽい人間ですかあっ」

  再び男は少年を殴る。

 「二度も・・・ぶった・・・

  親父にだってぶたれたことないのにィ!!」

 「それが甘ったれなんだ!!

  殴られもせずに一人前になったやつなんかどこにいるもんか!

  いくぞ!今、必殺の!サン、アタ」

 「それは違ーう!」

  少女が男に飛び蹴りをかました。

  男は吹っ飛んで正気に返る。

 「危なかった・・・

  このままサンアタックをしたあとゴーフラッシャースペシャルと排球拳を放ち牙突零式で止めをさすところだった・・・」

 「それはガンダム君が死んでしまいますよ、あなた。」

  女が男に言う。

  どうやらこの二人は夫婦のようだ。

 「ああ、すまん。

  ・・・ありがとう、ガンダム君。

  これで私たちの弔いは終わった。

  ・・・弔いは、な」

 「アーガマ先生・・・」

 「教師が生徒の前で泣くなんて恥ずかしいな。

  ガンダム君、君がよければ来年も付き合ってくれないか?

  俺たちの偉大な中の人の弔いを・・・」

  男・・・アーガマ先生の問いに少年は答えた。

 「くそっ、しょうがねぇな」

 「!!?」

  完



2006/08/12 15:43:09  >>2氏

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