暑い、よく晴れた日だ。
蝉が鳴いている。
故人を惜しむかのように。
木の葉が風でざわめく。
泣いているかのように。
今、二人の男が向かい合っている。
片方は少年といってもいい年頃だ。
そしてもう片方の男の目は涙で腫れていた。
そばに寄り添っている女性の目も。
「頼む」
「はい」
男の言葉に少年は頷く。
少年の隣の赤髪の少女は心配そうだ。
突然、男が少年に平手打ちを放った。
少年が吹き飛ぶ。
起き上がった少年は信じられない表情で男を見て言った。
「なぐったねえ・・・ブライトさん」
「ああ殴った・・・殴って悪いか」
男が答える。
「きさまはいいさ!
そうやってぐだぐだ文句をいってりゃいいんだからな!」
「ぼくがそんなに安っぽい人間ですかあっ」
再び男は少年を殴る。
「二度も・・・ぶった・・・
親父にだってぶたれたことないのにィ!!」
「それが甘ったれなんだ!!
殴られもせずに一人前になったやつなんかどこにいるもんか!
いくぞ!今、必殺の!サン、アタ」
「それは違ーう!」
少女が男に飛び蹴りをかました。
男は吹っ飛んで正気に返る。
「危なかった・・・
このままサンアタックをしたあとゴーフラッシャースペシャルと排球拳を放ち牙突零式で止めをさすところだった・・・」
「それはガンダム君が死んでしまいますよ、あなた。」
女が男に言う。
どうやらこの二人は夫婦のようだ。
「ああ、すまん。
・・・ありがとう、ガンダム君。
これで私たちの弔いは終わった。
・・・弔いは、な」
「アーガマ先生・・・」
「教師が生徒の前で泣くなんて恥ずかしいな。
ガンダム君、君がよければ来年も付き合ってくれないか?
俺たちの偉大な中の人の弔いを・・・」
男・・・アーガマ先生の問いに少年は答えた。
「くそっ、しょうがねぇな」
「!!?」
完
2006/08/12 15:43:09 >>2氏
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