MS擬人化で萌えよう まとめサイト(仮)


● それぞれの道 ●


  ここは鬼の溜まり場こと養護室。

  今日はヅダが疲れを癒しに来ているようだ。


 ヅダ 「あ゛〜効くなぁ〜・・・本当に医療関係の道に進んだらどうです?」

 グフカス 「・・・うん・・・まあそれも考えないでもないんだが・・・」

 ヅダ 「そんでこの町で開業してくださいよ、通いますから。それともやっぱり武道の方で身を立てていくんですか?」

 グフカス 「・・・うむ・・・まだはっきりとは・・・君はどうなんだ?将来のことは決めているのか?」

 ヅダ 「俺は工場を継ぎますよ。あの仕事は俺に向いています」

 グフカス 「・・・そうか・・・ちゃんと考えているのだな」

 ヅダ 「考えてるというか、そこにあったってだけですけどね」

 グフカス 「・・・フフフ」

 ヅダ 「どうしました?」

 グフカス 「・・・今までどっかしら昔の泣き虫の君のイメージが残ってたんだが、急に大きくなったみたいに感じるよ」

 ヅダ 「中身は大して変わりませんよ」

 グフカス 「・・・弟がいて・・・ある日私の背を越えていたのに気付いたら・・・こんな気分なのかもしれないな」

 ヅダ 「俺にとっては今も昔も強く気高く美しい姉さんですよ。グフカスさんは」


  そんな会話が繰り広げられているその外では、


 グフB 「(お、弟か・・・よかった・・・)」

 ゼーゴック 「(ヅダさん・・・ゼーゴックはヅダさんが浮気なんかしないって信じていました・・・)」

 グフB 「(それにしては心配そうだったじゃないか)」

 ゼーゴック 「(い、いや!だって・・・それは・・・まあいいじゃないですか)」


  最近仲がよさげな2人を心配した出歯亀ズが安堵していた。


 グフカス 「・・・ところで表の二人。君らも自分のやることをやりたまえ」

 ヅダ 「あ、ゼーゴック君、今日はもらい物の桃と葡萄があるんだ。夜、食べにおいで」


 グフB 「(ヒ!!!)」

 ゼーゴック 「(ば、ばれてる・・・)」


 グフカス 「・・・はい・・・終了だ」

 ヅダ 「あ、ありがとうございました。あ〜気持よかったぁ。後でグフカスさんの家にも果物持っていきますね」

 グフカス 「・・・ありがとう・・・だがあまり気を使わないでくれ」


  立ち上がって頭を下げるヅダを見るグフカスの脳裏に

  毎朝の素振りをする歳をとった自分と、

  毎朝ものすごい勢いでジョギングをしている歳をとったヅダが

  毎朝決まりきった挨拶を交わしている情景が不意に浮かんだ。

  そう、彼らの父親達と同じように。

  それがなんとも自分たちに似つかわしく思え、グフカスの頬がついつい緩む。

  ・・・十年・・・二十年と自分たちはこうして付き合っていくことになるのだろう。

  お互いにお互いを刺激しながら・・・そう、ちょうど今しがたのように。

  今溢れ出した彼女の内に秘めた優しさが、

  これからも共に人生を歩んでいくであろう友に向けられた優しさが、

  常には厳しく凍りついた彼女の表情を解かしてゆく。

  それはあたかも春の雪解けのように清々しく麗しい微笑であった。



2006/08/24 00:50:37  >>32氏

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