MS擬人化で萌えよう まとめサイト(仮)


● 妻との別れ・・・・・・そして再会? ●


  あれは、妻が同窓会を兼ねた旅行というのに出掛ける日のことだった。

 ビルゴV白牙 「それじゃ、行って来るからね。明日には帰るから、ビルゴとビルゴUの面倒お願いね?」

 ビルゴV 「分かってるよ。さっさと行って来い」

 ビルゴV白牙 「ぶー。妻に対してそんな言い方しなくてもいいじゃん!

           いいよ、あなたにはお土産買って来ないから!」

 ビルゴV 「最初から期待してないから安心してくれ」

  玄関先で、俺は生まれたばかりのビルゴUを抱きながら他愛のない会話を妻としていた。

  妻は頬を膨らませながら家を後にし、俺は軽く手を振って見送った。

  これが、生きている妻との最後の会話だとも知らずに・・・・・・。


  『観光バスとトラックが正面衝突 死者多数』

  それを知ったのは、次の日の朝刊でだった。

  俺は凍り付いたが、直に犠牲者が収容されている病院に向かった。

 ビルゴV 「まじ、か?」

  が、妻は既に帰らぬ人になっていた。俺や娘達の前で、綺麗な顔して寝ていやがった。


  俺は泣いた。三日三晩ただ泣いていた。


  妻は俺より一つ年上の先輩だった。

  何の特徴も特技もない俺の何処に惚れたのか分からないが、向こうから俺に告白してきた。

  何で俺なのかと聞いてみたら、

 ビルゴV白牙 「だって、あなたって優しそうだから」

  そう笑顔で答えた。

  俺が優しくない男だったらどうするのかという疑問も残るが、

  彼女と付き合っているうちに、俺の中で彼女の存在が一番になっていた。

  そして俺は16という若さで、ビルゴを授かり父親になり3人で暮らそうと決めた。

  無論、双方の両親は反対したが、それでも押し切って俺達はビルゴと3人家族で暮らし始めた。

  その時は、俺も妻も学生で、バイトと学問と子育てに励む毎日。

  決して裕福ではない生活。

  でも数年後には2人目の娘も授かり、俺も就職が決まり、生活も徐々に安定していく。

  俺は幸せだった。

  しかし、運命はあまりに非情な仕打ちを用意していた。



  そして小さな葬式も終わり、俺は妻の写真を見ながら泣いていた。

 ビルゴV白牙 『もー、いつまで泣いてるのよ?』

 ビルゴV 「うるさい。誰のおかげでこんなに泣いてると思ってる」

 ビルゴV白牙 『あ、やっぱり私の為?なんか少し嬉しいなぁ』

 ビルゴV 「そりゃお前・・・・・・お前の為に決まって、る・・・・・・?」

  そんな時だった。

  聞き慣れた声、というより先程まで俺の脳裏を支配していた人物の声が聞こえ、

  俺は思わず返事を返してしまった。

  初めはショックでどうにかなってしまったのかと思った。だけど声は尚も俺に話しかけてくる。

  そして俺は顔を上げた。俺は自分の目を疑った。

 ビルゴV白牙 『やっほーい♪』

 ビルゴV 「なっ!なななっ!!」

  目の前には死んだはずの妻がニコニコ笑って手を振っていた。

  しばらく思考が停止したが、まず生き返ったゾンビかと思った。

  だけど、妻は白い着物に頭にはおなじみの三角のを付け、尚且つ足がなく透けている。

 ビルゴV白牙 『どーしたの?おーい!』

 ビルゴV 「・・・・・・・・・・・・・・・」

  妻のようなのが目の前で手を振って呼びかけている中、俺は必死に考えた。

 ビルゴV 「えっと、お前は・・・・・・これか?」

 ビルゴV白牙 『これとは失礼ね最愛の妻に向かって。まぁ、幽霊だけど』

  俺は妻のようなのに写真を見せて妻を指差すと、目の前の妻のようなのは頬を膨らませ答えた。

  幽霊。妻の言ったこの一言に、俺は全てを理解した。

 ビルゴ 「・・・・・・どーしたの?」

 ビルゴV 「ビルゴ」

  その時、部屋の入り口からパジャマ姿のビルゴが眠そうにやってくる。

 ビルゴ 「だれとはなして・・・・・・」

 ビルゴV 「えっと、ちょっとビルゴ?この部屋に誰がいる?」

 ビルゴ 「・・・・・・・・・おとうさん」

 ビルゴV 「他には?」

 ビルゴ 「・・・・・・・・・」

  ビルゴは首を横に振る。どうやらこの幽霊は俺にしか見えてないようだ。

  俺はもう寝ろとビルゴに告げると、ビルゴは扉を閉めて部屋に戻っていった。

 ビルゴV白牙 『やっぱあなたにしか見えないし、喋れないんだ。ちょっと残念』

 ビルゴV 「残念ってお前・・・・・・」

  娘の反応を見て、妻は残念そうな表情を浮かべていた。

 ビルゴV 「お前、成仏しなかったのか?」

 ビルゴV白牙 『してほしかったの?』

 ビルゴV 「いやそうじゃなくて、何か未練とか・・・・・・」

 ビルゴV白牙 『未練、あると言えばあるわね。ビルゴもビルゴUもまだ小さいし。あなたは甲斐性なしだし』

 ビルゴV 「霊媒師呼ぶぞコラ」

  妻は人差し指を口元に置き、その後笑顔で答えたが、俺は無性にむかついた。

 ビルゴV白牙 『それでさ、地縛霊になるのも何だし、考えた結果あなたに憑くことにしました♪』

 ビルゴV 「な・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだってーーーーーーー!!!」

  そしてこの日から、俺は妻にとり憑かれた。

  体重が半分ほど減ったし、時々死んだ婆ちゃんが見えるようにはなったが、

  妻と一緒にいられるならそれでもいいか・・・・・・。



  そして現在。

 ビルゴV白牙 『起きて・・・・・・起きてったらあなた。遅刻しちゃう』

 ビルゴV 「う、ん・・・・・・あとごふん〜」

  俺を妻が呼ぶ声が聞こえる。でも俺は起きない。

  眠いし、多分俺の上にのしかかっているようだが、所詮幽霊なので何の感触も無い。

 ビルゴV白牙 『5分も駄目よ。う〜ん・・・・・・よし』

 ビルゴV 「zzz」

 ビルゴU? 「起きろ〜〜!!」

 ビルゴV 「ぐへっ!がっ・・・・・・」

  しかし、次の瞬間、俺の腹に衝撃が走る。思わず目覚めて見ると、俺の腹の上にビルゴUがのしかかっていた。

 ビルゴV 「び、ビルゴU、何するんだ・・・・・・」

 ビルゴU? 「違うわよ♪私よ私」

 ビルゴV 「お、お前か!?」

 ビルゴU(ビルゴV白牙) 「うん。あなたがあんまり起きないものだから、ちょっと体借りちゃった♪

                 ほら、おはようのキス〜」

  しかし娘の声に明らかに妻の声も混じっていたのを聞くと、“また”娘の体を借りたらしい。

 ビルゴV 「やっめっろっ!娘の体だ、それはっ!!」

 ビルゴU(ビルゴV白牙) 「あ、忘れてた。てへ☆」

 俺は今、娘2人とこんな妻と共に暮らしています。



2006/09/21 00:30:25  >>237氏
2006/09/21 00:35:18  >>238氏
2006/09/21 00:36:58  >>239氏

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