MS擬人化で萌えよう まとめサイト(仮)


● 宿命の対決 ●


 ヅダ父 「長い年月、貴様と付き合ってきたが・・・ついに黒白つける時がきたようだな」

 プロトグフ 「おおよ!やらいでか!」

 ヅダ父 「ふ。覚悟は出来たか」

 プロトグフ 「それはこちらのセリフ。準備が良いなら裏に来い!」


  穏やかな土曜の午後のUC町。しかし、ここだけは様子が違うようだ。

  ここはグフ家の玄関先である。

  UC町を代表する二大武術家の対峙は、

  日常とはあまりにもかけ離れた凄惨な殺気を、

  周囲にふりまいている。

  例えて言えば肌を切り裂く真冬の風とでも言おうか・・・。

  多少なりとも使う人間であれば、

  この恐るべき殺気に慄然とせざるを得ないであろう。

  連れ立って裏手の庭に移動する二人には寸分の隙も無い。


 プロトグフ 「グフフライト!用意は良いか!?」

 グフフライト 「はい、万端整っております」

 ヅダ父 「奥方、かたじけない」

 プロトグフ 「うむ、ご苦労であった。では、雌雄を決するまで下がっておれ」

 グフフライト 「はい・・・あなた、御武運を」


  言ってグフフライトタイプは二人の前に指をつき、頭を下げると家の奥に去り、

  後には二人だけが残された。

  武術家の妻とはこのようなものなのであろうか。

  今より戦いに赴く夫を送り微動だにすることも無い姿は天晴れであった。


 プロトグフ 「では・・・参るぞ・・・!」

 ヅダ父 「おお!」


  二人の激しい戦いは一旦置いておき、

  奥に下がったグフフライトタイプの様子を先に見てみよう。

  彼女は台所にいるようだ・・・。


 ヅダ 「どうです?あっちの様子は?」

 グフフライト 「いつもとおんなじよ。すっかり夢中になっちゃって。そんなに楽しいのかしらね?」

 ヅダ 「楽しいんでしょうねぇ。あ、これ、父からです。もらい物ばっかりですけど」

 グフフライト 「まぁ〜、栗にサンマに梨に・・・マツタケまであるじゃない。悪いわねぇ」

 ヅダ 「いえいえ、とんでもない。昨日の晩から、あれも持ってけ、これも持ってけって大騒ぎですよ(苦笑)」

 グフフライト 「うちのもねぇ。酒は買ったか、明日はあの料理を出せのって大騒ぎ(苦笑)」

 ゼーゴック 「ほんと仲いいんですねぇ。お義父さんと、プロトタイプグフさん(にこにこ)」

 グフフライト 「あんまり仲がいいのも考え物だわ(笑)。ところでヅダ君、ほんとにいいお嬢さん射止めたのね」

 ヅダ 「い、いやあ(テレテレ)」

 グフフライト 「前に来た時“うちの嫁御”自慢、一杯聞かされたわよぉ?」

 ゼーゴック 「いやぁん・・・お義父さんたらぁ・・・」

 グフフライト 「ヅダ君とうちの上の子は気が合うみたいだから、

        あわよくば将来一緒に・・・って思ってたのに、先を越されたわ。チ!」

 ヅダ 「え゙」

 ゼーゴック 「ひー!!!」

 グフカス 「・・・コラコラ、何を言っておるのです、母上」


  グフカスとグフBが連れ立って帰宅した。


 ヅダ 「あ、おかえりなさい」

 グフカス 「・・・父上たちは裏?」

 グフB 「まったく、よくも飽きずに」



  その時裏手から親父二人の声が聞こえてきた。


 ヅダ父 「ま、待った!」

 プロトグフ 「ふ、待ったは3回まで。これでもう後がなくなったぞ!・・・って、そ、その手待った!」

 ヅダ父 「ふん、これでお互い3回の待ったは使い果たした。これよりはお互い引けぬぞ」

 プロトグフ 「ぬう!ならば粉砕してくれよう!行くぞ!」


  パチン

  碁盤に石を置く心地よい音が台所までかすかに聞こえてくる。


 グフフライト 「よーし、じゃあ今日のお料理はゼーゴックちゃんに手伝ってもらおうかな?」

 ゼーゴック 「は、はい!頑張ります!」

 グフフライト 「あら。割烹着もって来てたのね。ヅダさん(父)が自慢するだけのことはあるわ」

 グフカス 「・・・母上、我々は着替えてきます。ゼーゴック君、それまでよろしく頼む」

 ゼーゴック 「はーい。いってらっしゃーい」

 グフフライト 「そうだ、今日、ギャンヌちゃんは?」

 ヅダ 「あ、用事足してから後で来るそうです」


  説明しよう。

  ヅダ父とグフ父は出会って30年近く・・・武道においてライバルであっただけではなく、

  実力伯仲した碁敵でもあったのだ!

  その勝敗、実に854勝854敗と全くの五分!

  社会人となり、それぞれ家庭を持つようになってからは、

  土曜の午後に互いの家を交互に行き来して碁の勝負をするのが

  二人の何よりの楽しみなのであった。

  そしていつしか、その日は家族ごと相手の家に訪問し、

  碁の勝負が終わった後に皆で宴会というのが両家の慣わしとなっていたのである。

  グフ家は数寄屋造り、ヅダ家はこの地方の伝統的な民家の造りと形式は異なるものの、

  お互い和風に造った家の、双方南に設けた庭に面する広縁が二人が碁を打つ特等席なのであった。


 グフカス 「・・・父上も、ヅダ君の父君も、いつまでも御壮健でこうやって過ごせると良いな」


  着替えてきたグフカスがヅダに声をかける。

  Tシャツにスウェットという真にそっけない姿なのだが、

  内よりあふれる美しさは隠しようが無い。


 ヅダ 「ええ、ほんとに」

 グフカス 「・・・我々も後で久しぶりに一局いかがかな?」

 ヅダ 「いいですね。やりますか」


  二人で縁側の両親を眺めながら会話している、その姿を横目に見て、

  先ほど言った冗談が、少し本気に思えてくるグフフライトタイプなのであった。


  『宿命の対決』 ―終―



2006/09/25 09:41:01  >>261氏
2006/09/25 09:43:06  >>262氏

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送